鷲と獅子と鹿の戦い 白雲の章 EP.1 三つの学級
修道院で対抗戦が行われた。黒鷲の学級(アドラークラッセ)、青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)、金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の各学級が、それぞれ教師と生徒4人の計5人で1チームを作り、三つ巴になって戦うものだ。陣頭指揮は教師が執り、実戦さながらとなる。
我が青獅子の学級は、げいむすきお、ディミトリ、ドゥドゥー、イングリット、アネットの5人で戦うことにした。男二人、女二人と男女バランスよく採用した。
げいむすきおは剣、ディミトリとイングリットは槍、ドゥドゥーは斧、アネットは攻撃魔法と武器の種類もバランスを考えた。本当なら回復魔法も欲しいところだが、最初だしそこまで強くもないだろう、力押しでさっさと終わらせればいい、と考えていれなかった。
戦いが始まると各学級の主要キャラが一言ずつ喋る。他の学級のキャラ達の顔も覚えてくださいね、という配慮だろう。金鹿学級のローレンツは自信家タイプ、イグナーツは慎重派タイプ、級長のクロードはそんな二人を心配そうに見守る雰囲気。黒鷲学級のドロアテは級長エーデルガルトの信頼が厚い様子だし、フェルディナントとヒューベルトはライバル関係を思わせるやりとりをする。
金鹿学級は北西の森の奥に隠れ、先鋒としてローレンツ、イグナーツを送り込んでくる。北東の黒鷲学級は北東に陣取り、お手並み拝見とばかりにドロアテ一人だけを差し向けてくる。
それらを打ち崩し、そのまま金鹿に攻め入ろうとするも、クロードが地の利を活かして迎え撃とうと森に立てこもり待つ戦略をとっている。
それに対してジェラルトが助言をくれる。
なるほど。そういうことなら、先に北東の黒鷲を倒してからだ!「いつまででも、そこで待っていろ、金鹿!」と先に黒鷲を倒しに行く。
あれ? みんなの反応が思っていたのと違う! どうやら、金鹿から先に倒すのが正道だったようだ。正道がどうあれ「どうせみんな倒すんだ、順番なんて関係ない!」と、力押しで行こうとするも一人、二人と倒されていく。「回復がないのはきつかったな」と思い始めたところで、全員のもちものに傷薬があることに気づく。だが、時すでに遅し、敵に囲まれ回復が追い付かず、ディミトリが討ち取られてしまった。ディミトリが討たれると敗北である。
こんなはずでは……。次は傷薬をちゃんと最初から使っていこう……。
敗北したことはなかったことにして、再戦する。
今回も同じメンバーだが、今度はHPが10以上減ったら、すぐに傷薬を惜しみなく使って攻めていく。もちろん、倒す順番は金鹿が先だ。
なんの危なげもなく、金鹿学級の教師ハンネマンを撃破。そのままの勢いに乗って黒鷲学級の教師マヌエラも倒した。
ちゃんと戦えばなんということもない敵だった。ジェラルトの「迂回するなり何なり対策を」と言っていたのは「東の黒鷲側へ迂回して」という意味ではなく、「金鹿の更に西側へ迂回して」という意味だったようである。
戦いの後で
戦いが終わり、修道院に帰ると、大司教レアとその右腕セテスに謁見の間に呼ばれた。
見事な采配とか、ジェラルトの薫陶をうけただけはありますなどと言われても、一度負けている身としては皮肉にしか聞こえないが、この世界的にはそれはなかったことになっているので、ありがたくそのお言葉を頂戴する。
この戦いは前哨戦だったのか。その本番までにはもう少しキャラの顔と名前が一致するようになっているだろうか。
次の課題
別に勝利を祝うために呼んだわけではなかったようで、「さて……」とレアは話を続ける。「今日あなたをここへ呼んだのは翌節の課題を伝えるためです」と本題に入った。
青獅子学級の生徒とともに、盗賊討伐をするようにと命じられた。
また盗賊か。本格的な戦いはまだまだ先のようだ。