インクに潜りながら、こう考えた。
攻めに攻めてもしのがれる。守りに徹せど崩される。裏取りしてたら全滅だ。とかくにガチマは勝ちにくい。
勝ちにくさが高じると、安い所で戦いたくなる。どこで戦っても勝ちにくいと悟った時、ツイートが生れて、ブログが出来る。
ガチホコがウデマエXになったことは私に良い影響を与えた。
「地位は人を育てる」とは、よく言ったもので、ウデマエXになったのはガチホコだけであるにもかかわらず、全ルールでXにいけるだけの実力がついたように思う。
まず変わったのは敵の動きが予測できるようになったことだ。
これまで、敵と対面し、一、二発当てて逃げられていたような場面でも「これはきっとこっちに逃げるから、一、二発うって、それが当たっても当たらなくても、すぐにこっちを狙おう」と、逃げられることを前提に次の一手を考えてからうち始めることができるようになった。
敵の動きが予測できるようになると、次は敵に「どう予測されているか」がわかるようになった。
これまでなら逃げ切れずに倒されていた場面でも、「こっちに逃げると思っているだろうからこっちに逃げる」と、予測の予測をしてから動くと、相手はこちらの動きについてこれず、私が予測されてると思い、行かなかった方向を敵はうっているので、そこを慎重に狙ってうつ、ということまで出来るようになった。
これがウデマエXの人間が見ていた世界なのか。
苦手だったガチアサリで、勝ち、勝ち、負け、勝ち、勝ち、勝ち、負け、勝ち、負け、勝ち位のペースで勝ち、S+3に昇格した。
連勝中は「ここではS+の前半だがガチホコはXなんだ。君たちとは違うんだ」という思いで一杯だった。
このままXまで駆け抜ける、と思っていたら負け始めた。
「調子が良くても負けが二回続く事くらいはよくある、気を取り直して次だ」「三回位ならまあ、あることだ……」「四回か……」「五……」「ろ……」「……」
結局、七連敗した。
それくらいならまだ良かったが、そこから勝ったり負けたりで最終的にS+3からS+1まで落ちてしまった。そして今、その落ちに落ちたS+1からすらも落ちてしまいそうになっている。ウデマエXという目標から大きく後退してしまった。
「全ルールでXにいけるだけの実力がついた」ように思ったのも、いつもの「上手くなった幻想」に過ぎなかった。
それはそうだろう。S+には、Xに行ったり出戻ったりしているような人も沢山いるはずだ。なにも私ばかりがXになったことがあるわけではない。
今の私にふさわしい言葉は「地位は人を育てる」ではなく、「驕る平家は久しからず」や「Self-conceit may lead to self-destruction.」などのようだ。