【ロードス島戦記 -ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-】キャラゲーとして優秀なのはもちろん、メトロイドヴァニアとしても基本に忠実で粗のない完成された作品

 販売元PLAYISM
 開発元Team Ladybug, WSS Playground
 発売日2021年12月07日
 価 格パッケージ版 3,980円(税込)、DL版 2,480円(税込)
 その他

 販売元PLAYISM
 開発元Team Ladybug, WSS Playground
 発売日2021年12月07日
 価 格DL版のみ 2,480円(税込)
 その他GAME PASS対応

 販売元PLAYISM
 開発元Team Ladybug, WSS Playground
 発売日2021年08月19日
 価 格パッケージ版 3,980円(税込)、DL版 2,480円(税込)
 その他特になし

 販売元PLAYISM
 開発元Team Ladybug, WSS Playground
 発売日2021年3月27日
 価 格2,200円(税込)
 その他特になし

げいむすきお
げいむすきお

 ジャンルはメトロイドヴァニア。ジャンルの基本に忠実な作りをしてる。ちょっとしたパズル的な謎解き要素のある探索がメインとなり、近接攻撃武器と弓と精霊魔法を使い分けて敵を倒していく。そこに「使役する精霊を変更して、主人公の属性を切り替えながら進む」というのが+αとして加わる。

 

 版権物はこれくらいでちょうどいいんだよ、っていうような出来だった。綺麗なドット絵、滑らかなアニメーション、強すぎないボス戦、分かりやすく原作の世界観を壊さないストーリー、難解過ぎない探索。10時間くらいでクリア出来て、定価は2500円弱。ボリュームにあった値段だろう。「無印の『ロードス島戦記』は読んだけど、新刊はまだ」という人が懐かしさだけで買っても、十分に元が取れる位楽しめるゲームだ。 

どこのゲーム?

 販売元は PLAYISM
 開発元は Team Ladybug, WSS Playground

PLAYISM

 PLAYISMの運営母体は株式会社アクティブゲーミングメディア。PLAYISMというレーベルはデジタルコンテンツ配信サイトとして始まったが、2021年3月24日に配信サイトとしての役割は終わり、現在はインディーゲームの販売を行うレーベルとなっている。
 公式サイトhttps://playism.com/

 PLAYISM代表へのインタビューが面白かったので、リンクしておく。

参考 PLAYISM代表インタビュー Game*Spark

Team Ladybug

 公式サイトによると「krobon氏が2015年に開発した汎用ゲームエンジン(mogura engine)を用い2D横スクロールをはじめとする、様々なゲームを開発する団体」だそうだ。
 公式サイトhttp://teamladybug.info/

WSS Playground

 WSSは Why So Serious? の略。株式会社ワイソーシリアス。ゲーム業界で「Why So Serious?」というと、伝説の怪作「たけしの挑戦状」のエンディング「こんなげーむにまじになってどうすんの?」が連想されるが、たけしの挑戦状リスペクトだろうか。
 公式サイトによると「エンターテイメントはシリアスでありすぎてはつまらない。社名を常に「問い」として、ゲームをはじめとしたエンターテイメントを届けます。」とのことだ。
 公式サイトhttps://whysoserious.jp/

どんなゲーム?

 ロードス島戦記のファン向けの作品ではあるが、メトロイドヴァニアとして良く出来ているため、登場キャラクターを知らなくても楽しめる。とはいえ、やはりロードス島戦記を知っていてこその作品。「ロードス島戦記を知らないと楽しめない」というわけではなく「ロードス島戦記を知っているとより楽しめる」といった感じ。

概要

 ドット絵2D横視点スクロール型アクション。メトロイドヴァニアとして、基本に忠実な作りをしている。雑魚キャラを倒しながら探索し、アイテムを手に入れたり、スイッチを押したりすることで探索できる範囲が広がっていく。

操作方法

 攻撃方法は、近接攻撃、弓攻撃、精霊魔法の三種類。回避は、ジャンプとバックダッシュ。特筆すべきは精霊切替だ。

画面はXBOX版

使役する精霊の切替

 使役する精霊を切り替えることでディードリットの属性を変更することが出来る。

 風の精霊であるシルフを使役しているときは風属性の攻撃は食らわず、風属性の敵にはダメージを与えられない。
 火の精霊であるサラマンダーを使役しているときは炎属性の攻撃は食らわず、炎属性の敵にはダメージを与えられない。
 ここまでは斑鳩やOutlandにあったシステムと似たようなものだ。

 この精霊切替システムはそれだけではなくて、シルフを使役中はジャンプボタン長押しで空中にとどまることが出来たり、サラマンダーを使役中は燃える障害物を破壊することが出来たりする。

 また、精霊にはレベルがあって、最大3まである。
 シルフ使役中に敵を倒すと、サラマンダーの精霊レベルがあがり、ダメージをくらうとシルフの精霊レベルが下がる。
 サラマンダー使役中に敵を倒すと、シルフの精霊レベルが上がり、ダメージをくらうとサラマンダーの精霊レベルが下がる。
 レベルが高いほど攻撃力があがり、レベルが3だとHPが自動回復する。

 そのため、使役している精霊と逆の精霊のレベルが上がるため、敵の属性を見て精霊を切り替えるのは当然として、それ以外の時でも適宜切り替えながら戦った方が効率良く進められる。

やりこみ要素

 やりこみ要素というほどでもないが、精霊魔法、武器、弓などはゲーム内でリスト化されており、手に入れたもの、手に入れていないものが一覧で把握できるようになっている(手に入れていないものは「?」で表記される)。クリアだけなら、全種類集める必要はないが、原作に出てきた精霊や装備品が沢山出てくるので「そういえばそんなのあったなあ」と思いながら集めていってしまう。

クリア後の要素

 クリアしたセーブデータのキャラで、中ボス、ラスボスを連続で戦い抜くボスラッシュや、新たなセーブデータで全精霊魔法所持、全武器所持、レベル固定、HP1固定、精霊レベル1固定の縛りプレイも出来るようになる。

どんなストーリー?

 ディードリットは墓の前で目を覚ました。誰の墓なのか。なぜ、ここにいるのか。彼女にはその記憶がなかった。
 ふと見覚えがあるような気がしてまわりを見渡してみるが、やはり知らない場所だった。

 周囲を探索すると、風の精霊シルフがいて、大地母神マーファの像があって……パーンがいた。パーンはディードリットに気付いているのかいないのか……遠くに走り去る。それを追うディードリット。

 そこに突然姿を現したカーラが行く手を阻む。レイリアの体を持ったカーラだった。

「迷い込んだか…、ハイエルフ」

 カーラはディードリットに忠誠を誓えと言う。「あの騎士の後を追いたいのであろう。あの騎士と共に過ごしたくば、わたしに忠誠を誓え」と。当然、ディードリットは断る。

「忠誠を誓えば無駄な『試練』を経ずともよいというのに…まあ、よい…まもなくもう一人のさまよい人が落ちてくる…どちらが先に望みを叶えるか…とくと鑑賞しよう」

 もう一人のさまよい人……そのさまよい人もまたエルフの女性だった。その彼女の望みとはなになのか。なぜ、さまようのがディードリットとその彼女の二人なのか。「試練」とはなんなのか。

 ディードリットの旅が始まる。

良かった点、面白かった点

 気軽に遊べる難易度が良かった。探索もそれほど詰まるようなこともなく、中ボスも極端に強いやつはおらず、決まったパターンを覚えれば倒せる。最悪でもレべルを上げればゴリ押しもできる。

 シルフとサラマンダーを切り替えて、属性ダメージを無効化するというシステムも良かった。

 登場キャラ無印の「ロードス島戦記」の面々で、すごく懐かしい。出てくる精霊、モンスター、武器も全部懐かしい。

「カシューって、アレクラスト大陸ではソードマスタールーファスとかって名前だったんだっけ。そういえば、アイテムコレクションは電子書籍化しないな」とか、「エルフは炎の精霊は嫌うけど、ディードリットは炎の精霊の再生の側面を知っているから使えるんだ」とか、「ディードリットはジンをイルクと呼ぶんだった」とか、「火竜シューティングスター、水竜エイブラ、邪竜ナース……あと何竜がいたんだっけ」とか、30年以上前の記憶とともに色んな思いがあふれ出す。原作を読み返したくなるが、ロードス島戦記は、ソードワールドとかクリスタニアとか関連する世界が多すぎて、読み返し始めると収拾がつかなくなると思って逡巡してしまう。

まとめ

  • 強すぎないボス戦、分かりやすいストーリー、難解過ぎない探索。
  • ちょうどいい価格、ちょうどいいボリューム。
  • 精霊切替システムがちょっとしたスパイスになっている。
  • ドット絵のアニメーションがなめらか。
  • 無印「ロードス島戦記」の登場人物、精霊、武器が沢山出てきて懐かしい。
  • ボスキャラも、雑魚キャラも覚えがあるキャラばかりで懐かしい。
  • ストーリー、キャラともに原作の雰囲気を壊していない所も評価が高い。
  • 原作を読み返したくなる。

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