【Home Sweet Home】怖くないものが怖くなったら大抵怖い

PlatformDetails
制作・販売Steam
Switch
XBOX ONE
PS4
YGGDRAZIL GROUP
発売日未定(2020年中?)
移植:MASTIFF(日本での発売なし)
移植:MASTIFF
日本語Steam
Switch
XBOX ONE
PS4
字幕のみ
不明
なし
吹替音声・字幕

げいむすきお

一人称視点のホラーアドベンチャー。タイのゲーム会社YGGDRAZIL GROUP CO.,LTD制作で、ゲームの舞台もタイになっている。近代的な我が家、昭和の後期に建てられたような古い学校・学生寮、終戦直後の日本のような古い木造の建物などを探索する。一言にホラーと言っても色々あるが、この作品はよくあるような「びっくり系スプラッタ」ではなく、「じわじわと追い詰められていく系サイコホラー」。カッターナイフを片手にカチカチカチカチと刃を出し入れする女子学生から逃げ回りながら、行方不明となった妻を探す。主人公には女子学生を撃退する術はなく、息をひそめてどこかに隠れ、通り過ぎるのを待つことしか出来ない。VR対応。

紹介動画(公式)

どこのゲーム?

 オリジナルはタイバンコクに本社を置くYggdrazil Group制作・販売。PS4版、XBOX ONE版への移植とそれらの販売はアメリカカリフォルニア州に本社を置くMASTIFFが行っている。

 Steam版は字幕のみ日本語対応。XBOX ONE版はアメリカのみでの販売。PS4版は日本語字幕だけでなく、日本語吹替までもがある。Steam版の日本語字幕は微妙だが、PS4版はきっちりと修正されて、日本語の不自然さはなくなっている。

Yggdrazil Groupについて

 Yggdrazil Groupはそもそもゲーム制作会社ではなく、TVCMや映画のCG制作を請け負っているアートデザインの会社である。それがなぜ、ホラーゲームを作ることになったのか? そのあたりのことが4Gamersのインタビューで明かされている。

参考 ホラーADV「Home Sweet Home」の開発者にメールインタビュー。TVCMや映画のCG制作会社が,タイ産のホラーゲームを作る夢を叶えた – 4Gamer.net4Gamer.net − 最新記事

 このインタビューはタイのゲーム事情なども盛り込まれており、非常に興味深い。

どんなゲーム?

ストーリー

 主人公ティムは、妻ジェーンが行方不明となってからというもの、絶望の底にたち酒浸りの毎日を過ごしていた。買ったばかりのマイホームも、愛する妻がいてこそのものだ。

 その日の前日も酒を飲み過ぎるほどに飲んで床についた。いつもと同じに。しかし、目が覚めてからはいつもと同じではなかった。確実に自分の部屋で寝たはずなのに、起きるとそこは全く見知らぬ場所だった。

 ただ見知らぬ場所というだけではない。同じところを同じように歩いても別の所にたどり着くような不可思議な空間で、対抗のしようもない見たことのないような怪物がそこここにいる。それは死の恐怖がすぐ隣にある世界だった。

 ただ、希望もあった。行方不明になっていたジェーンがそこにいたのだ。必死に追いかけるティム。しかし、ジェーンは逃げていく。赤い目をした巨大な妖怪や、カッターナイフで襲い掛かってくる女子学生から身を隠しつつ、憩いの我が家へ妻と一緒に帰ることだけを目指して、ティムは尋常ならざる世界を探索していく。

チュートリアル部分

 ゲームが始まると、画面は真っ暗。そこに妻のジェーンの声が聞こえてくる。どうやら、主人公ティムが妻のジェーンに起こされるシーンのようだ。画面が真っ暗なのは主人公がまだ寝ているからだろうか。しかし、明るくなっても、起こしてくれたはずの妻はどこにもいない。

 すぐ前に見えるのは壁だ。若い子の部屋を思わせるシンプルだが柔らかい絵柄の壁紙と、綺麗に剥がし切れていないポスターとが目に入る。ティムも少し混乱していて、自分がどこにいるかわかっていないようだ。

 画面が明るくなった段階で操作可能となり、歩き回ることが出来るようになる。周りを見渡すと、ベッドや勉強机、ワードローブなどがあり、学生の部屋であろうことが予想される。

 部屋から出ると長い廊下があり、どうも個人の家ではなさそうだ。しかし、それ以上のことは何もわからない。しばらくは一本道で、かがんだり、走ったり、アイテムを拾ったり、懐中電灯をつけたり、落ちている新聞記事を読んだり、カギを拾ったり、カギを使ってドアを開けたり、と操作方法を身に付けるためのチュートリアルとなる。

操作方法(キーボード+マウス)

移動

歩く W:前、S:後ろ、A:左、D:右
走る ShiftW、A、S、D
屈む C:屈んだまま移動することも出来る。女子学生に気付かれにくくなる。

視点移動

マウスを左右に動かす:左や右を向く
マウスを前後に動かす:上や下を向く
右ドラッグ:物陰に体を隠したまま覗く。

アイテムを拾う、アイテムを使う

懐中電灯をつける F
拾う E:アイテムを拾う。
使う E:アイテムを使う。使うべき場所に来るとアイコンが変わるため使うアイテムを選ぶ必要はない。

メニュー

メインメニュー ESC:タイトル画面に戻る
アイテムメニュー TAB:手持ちのアイテムや、ジェーンの日記、新聞記事等が確認できる。

操作方法(コントローラ)

移動

歩く 左アナログスティック:前後左右に移動。
走る LT(L2)を押しながら左アナログスティック
屈む B(〇):屈んだまま移動することも出来る。女子学生に気付かれにくくなる。

視点移動

右アナログスティック:上下左右に視点移動。
RT+右アナログスティック:物陰に体を隠したまま覗く。

アイテムを拾う、アイテムを使う

懐中電灯をつける X(□)
拾う A(×):アイテムを拾う。
使う A(×):アイテムを使う。使うべき場所に来るとアイコンが変わるため使うアイテムを選ぶ必要はない。

メニュー

メインメニュー Start:タイトル画面に戻る
アイテムメニュー Y(△):手持ちのアイテムや、ジェーンの日記、新聞記事等が確認できる。

操作方法(VR)

頭を動かすことで視点移動が出来る。マウス右アナログスティック左右方向だけ視点移動が出来て、上下には動かなくなる。

主人公の正面の方向を変えて、頭を動かし周囲を見るという形だ。

その他の操作は、キーボード+マウスでも、コントローラでもどっちを使っても出来る。

恐怖ポイント!

謎解き!

 所々ある謎解き自体は、子供だましなものばかりでなんら難しいものではない。ただ、謎を解くために周囲を探索しなければならない。つまり、未知の恐怖が存在する場所に、自ら足を踏み入れていかなくてはならないということだ。

視覚と聴覚!

 足音、カッターの刃を出し入れするキリキリキリといった音、女子学生の悲鳴、見つかった時の効果音。どれもが効果的に恐怖を煽ってくる。

 女子学生が主人公を見つけると大きく悲鳴を上げてから、追いかけてくる。こちらから女子学生が見えていなくとも、気付かれたことだけはわかるシステムだ。慌てて走って逃げ切ったと思った瞬間に捕まると、思わず声が出そうになる。

 また、ロッカーに隠れて、女子学生をやり過ごす時は、隙間から外を覗く形になるが、視界が狭いので、女子学生がどのあたりにいるのかわからない。カッターの刃を出し入れする音を頼りに、まだ近くにいるのか、ロッカーから出ても大丈夫なくらい離れていったのかを判断しないといけない。

雰囲気!

 日本人にとって、タイの文化は近すぎず遠すぎずの距離感がある。タイ文化そのものが小さな異世界のような雰囲気を醸し出している。日本のホラーゲームでも、呪いの藁人形、畳におかれた日本人形、髪の長い着物の女性がただ立っているだけで怖いシチュエーションがあったりするが、それのタイ文化バージョンで、独特の雰囲気を作りだしている。

VR対応!

 VRで面白いゲームがないか探している人に対して「ホラーの代表作品の一つだ」として挙げて良いだろうと思う。元々、VRとホラーは相性がいいが、このゲームは視覚と聴覚に働きかけてくる恐怖を主にしているので特に相性がいい。

残念な所。

 全体として面白かったが、残念なところもある。

Steam版の日本語字幕は微妙!

 血にまみれた常識の通じない世界で、死の恐怖と戦いながら探し回った愛しのジェーンをようやく見つけ、これでようやくここから脱出できると思った瞬間、なぜかジェーンは逃げていく。その時、ティムが思わず漏らしたセリフが「もう!」と随分軽い感じで、雰囲気が壊れてしまう。ただ、ある意味、面白くはあったので、そこは善し悪しだ。

首が180度後ろに回転する女を見ての一言
新聞記事なのにどことなくぎこちない日本語

 PS4版では改善されているらしい。

完結しない!

 最後は妻が行方不明になった理由や、呼んでも逃げていった理由が判明するのかと思いきや、解明されないまま良いところで終わってしまう。それが一番残念なところだ。

 あちこちでジェーンの日記や、新聞記事などが読めたり、ラジオ放送が聞けたりして、少しずつ事情が分かっては来るものの肝心なところはあかされないままに終わってしまう。

 ちなみにストーリーの続きであるエピソード2は、Steamにて2019年9月25日に前半部が、2019年10月31日に後半部が発売されている。

 本当は完結させるつもりだったが、資金が尽きたため一旦発売したということらしい。エピソード2が出たということは、続きを作れるくらいには儲かったということなので良かったと思う。

まとめ

  • タイ文化は近すぎず遠すぎず、日常に紛れた異世界感を強く感じさせられ、恐怖の素となっている。
  • じわじわと追い詰められていく怖さ。
  • ゲーム性はステルスアクションそのもの。
  • 怪物の行動パターンを把握し、見つからない様に謎を解いてゴールを目指す。
  • Steam版は日本語字幕が微妙だが、逆にそれが面白くもある。
  • PS4版は日本語吹替あり。訳も雰囲気のあるものになっている。
  • VRで遊べば自分がどこにいるのかを忘れる位没頭できる。
  • この作品だけでは完結しない。

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