【スプラトゥーン2】休息と再開【イカマクラ43】

イカマクラ序言

 インクに潜りながら、こう考えた。
 攻めに攻めてもしのがれる。守りに徹せど崩される。裏取りしてたら全滅だ。とかくにガチマッチは勝ちにくい。
 勝ちにくさが高じると、安い所で戦いたくなる。どこで戦っても勝ちにくいと悟った時、ツイートが生れて、ブログが出来る。

 今年度に入ってから、最初のころは割と調子が良かった。

 4月、5月、6月、7月と上り調子だった。どのルールでも計測で2100台となるのが通常になって、その中でもガチエリアは2300台まで到達した。最終順位も2万位台がちょこちょこ出るようになってきて、長い冬の時期が終わり、ブレイクスルーを迎えたのかと思っていた。

 もちろん、そんなわけはなかった。8月は全く振るわずだった。ガチエリアはS+に落ちたまま戻れず、ガチアサリはXパワー2000を切った状態で月末を迎えたためにS+への降格が決定し、9月の初めはS+が2つという状態からのスタートとなった。二つも降格した状態でスタートするなんてことは随分久しぶりだった。一段階高いところに来られたと思っていた矢先のことであったため、その分、動揺が大きかった。

 月初めはよかった。どのルールも計測で2100を超えていた。やはり、これくらいのパワー帯が私のいるべき場所なのだ、と思っていた。「Xパワー2300を達成するんだ」と意気込んでいたのも前月までと同じだ。しかし、同じなのはそこまでだった。計測後は全く勝てなくなった。計測終了時のXパワーが頂点で、そこから下がる一方だった。

「そこは我々の席だ。早々にどきたまえ」とばかりに次々と、みんなが私のXパワーを奪い去っていく。私にはその略奪を止めるだけ力はない。何をすることも出来ずに、ただ一方的にXパワーを吐き出すばかりだ。心の嗚咽とともに。

 月の半ばごろになると「Xパワー2300を……」というような希望の光はとうの昔に消えており、「どうにか2200を維持するだけでも」という甘い考えを持っていたことすら忘れ、「せめて2100は……」という私の懇願すら叶えられないことを悟り、いつのまにか2000を下回ってしまっているガチパワーを胸に抱いて、ただ茫然とガチマッチを戦うことしか出来なくなっていた。

 そして気付くともう月末だった。毎月のことだが、月末の2000前後は悲惨だ。2000を切った状態で月初めを迎えれば、強制的にS+へと降格してしまう。ここではX帯の残りかすのような寄せ集めメンバーが、来月のXの席を奪い合うのだ。

 それは私にとって毎月末の恒例行事で、それまではぎりぎりでX残留を勝ち取ることが出来ていた。ところが、8月の終わり、私はそこでも敗れてしまった。

 結果、9月はS+二つでスタートだった。私はそのことに耐え切れず逃げてしまった。9月はまるまる一ヶ月休んだ。10月半ばになってようやく再開したが、ずっと戦い続けていても維持が限界だったのに一ヶ月も休めば衰えは明白だった。11月はS+が3つでのスタートとなった。

 さすがにS+が3つもあれば、勝率が5割を超える。全ルールXだと勝率が4割程度になるので、気持ち的にはXにいるよりも楽だ。1か月分の休息からのリハビリにちょうどいい。

 休息で衰えたとはいえ、戦っていれば半月程度で勘が戻ってくるので、S+からXにあがり、計測でXパワー2100付近にまではなった。結果、12月は全ルールXで開始することが出来るようになった。

 ただ単に、休息分を取り戻しただけであるのに、すごく上手くなっていっているような幻想を夢見られた。楽しいのは、勝利そのものではなく、上手くなっていく実感なんだ、と再確認できた。

 スプラトゥーン3の発売まではまだ間があるため、「上手くなっていく実感」を幻想でなく、本当に得られるように、それまでまた頑張ろうと思う。

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