【スプラトゥーン2】連敗【イカマクラ10】

 インクに潜りながら、こう考えた。
 攻めに攻めてもしのがれる。守りに徹せど崩される。裏取りしてたら全滅だ。とかくにガチマは勝ちにくい。
 勝ちにくさが高じると、安い所で戦いたくなる。どこで戦っても勝ちにくいと悟った時、ツイートが生れて、ブログが出来る。

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 リロードボタンを押すことに恐怖を感じたのは、なにも今回が初めてというわけではなかった。今までだって何度でもあった。しかし、だからこそより一層強い恐怖を感じる。「今までそうだった。今もそうだ。そうなると未来もずっとそうなんじゃないか?」という恐怖だ。

 意を決してリロードし、上から順に数えていく。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ……。
 結果は──6連敗だった。よかった。まだ、ましな方だ。イカリング2のバトル結果を見ながら安堵する。

 私以外のみなは何連敗くらいまでなら、平常心でバトルを楽しめるのだろうか?
 何連敗ぐらいから、焦りを感じ始めるのだろうか? 

 無論、シチュエーションにもよるだろう。
 あと1回勝ったらウデマエがひとつ上がりそうな一方で、あと4回負けたら割れそう、という状態なら2連敗でも焦りを感じるに違いない。いや、あと1勝だけなら楽勝だから2連敗くらい大したことがないと思うものなのだろうか。

 ウデマエの上がり下がりに影響がなさそうな状況ならどうだろう。
 例えば、OKラインは超えているもののすでにひびが2つ入っているくらいの時のように。

 私は5連敗位までなら、ギリギリ理性を保ちつつ戦うことが出来る。
 6連敗を超えた辺りから「どうか1勝だけでいいのでさせて下さい。1勝だけでもさせてもらえたらもう寝ます」と心の中は混乱を極め、誰に対してなのか何に対してなのかも分からずただ祈っている。

 10連敗を超えるともう負けることは当然と受け入れるようになり、2度と勝利のジングルを聞くことは出来ない、と諦観が心を支配し始め、そこからは1敗ごとに私の心は身体を少しずつ離れていき、どこか遠くの方から、双眼鏡で私の身体が行っているバトルを覗くようになる。
 15連敗を超える頃には心は無となり、ガチマなのかナワバリなのかもわからなくなる。
 幸いありがたいことに17連敗までしかしたことがないため、それ以上についてはわからない。

 17連敗した日は連敗に終止符を付けた1勝のありがたみを噛みしめて床についたことを覚えている。

 その時、私は布団の中でイカリング2の記録を見ながら考えた。
 記録はしょせん過去の自分がうつしだされているだけのものに過ぎない。たとえそれがここ2時間の出来事であったとしても過去は過去であり、今の自分ではない。

 私は思う。もし時間が17連敗する前に戻ったとしたら、次はどこかで連敗をとめられるだろうか? 17連敗した後は、それらのバトルの反省を生かし、少しでも強くなることができているのだろうか?

 恐怖の根源はそこにある。
 あとから始めた人に追い抜かれ、いつまでたっても相対的に弱いままでウデマエXにたどり着けない、と思っているが、実はそうじゃないんじゃないか。変な癖がついたり、荒い戦い方が常となっていたりと言ったことで、絶対的に弱くなっているんじゃないか。過去の自分と戦ったとしたら負けるんじゃないか。

 絶対的な強さは現実に測りようがないため、この恐怖に打ち勝つには、自分を信じるしかない。

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