インクに潜りながら、こう考えた。
攻めに攻めてもしのがれる。守りに徹せど崩される。裏取りしてたら全滅だ。とかくにガチマは勝ちにくい。
勝ちにくさが高じると、安い所で戦いたくなる。どこで戦っても勝ちにくいと悟った時、ツイートが生れて、ブログが出来る。
最近、ドラガリアロスト(公式サイト)を遊んでいる。これはスマホで遊べるアクションRPGだ。キャラを育てて、モンスターを倒し、ストーリーを進めていく。
モンスターとの戦闘はスワイプ操作によるアクションになっているため、あまり下手だと強い敵にやられてしまう。しかし、そこはRPG。相手が強くて勝てなければ、レベルを上げるなり、装備を整えるなりすれば勝てるようになる。
昔はよく「RPGはゲームが下手な人でもクリア出来るジャンルだ」と、言われていたことを思い出す。どんなに強い敵が出てきても、レベルを上げて、装備を整えていけばいつかは勝てるようになるからだ。その傾向は国産RPGに顕著だった。
一部の例外を除いて、基本的にレベルは上がる一方だし、装備は良くなる一方だ。モンスターにやられて後遺症が残るような怪我をすることもなければ、盗賊に襲われて身ぐるみを剥がされることもない。努力は確実に報われるのだ。
しかし、現実は国産RPGとは違う。努力は平気で私を裏切る。努力は人を選り好みする。私の100時間の努力は誰かの10時間の努力と同等の価値だ。
ウデマエXを目指している以上は、人より先んじなくてはならない。しかし、現実は逆だ。あとから始めた人の後塵を拝してしまう。私が上手くなる速度よりも、数十倍の速さで上手くなっていく人が数多いる。
私が努力の結果、三日で一歩ずつ、ゆっくりとでも着実に前に進んでいたとしよう。その時、ゴールは一日一歩ずつ三日で三歩は進んでいる。どうやったら追いつけるというのか。
ドラガリアロストではなく別のスマホゲームの話だが……ある時、知り合いが自分の父親はそのゲームで上位ランカーだということを知った。
彼はそのことを知った時、父親に尋ねた。
「どうやればそんな風にランキングに入れるんだ?」
父親はほくそ笑みながらこう答えたそうだ。
「それはな、金を使うんや」
残念ながらスプラトゥーン2の実力をお金で買うことは出来ない。だからと言って、努力したからと言って強くはなれるわけでもないのだ。
私は時間をコインに替えて、一生懸命ガチャを回しているが、回せど回せど星3ばかりしか出ず、星5で揃えた精鋭たちには太刀打ちできない。
この例えはピンと来ただろうか? 時間をかけても努力が実らないことを、ガチャで欲しいものが出ないことに例えたのだが、伝わっているだろうか? 思いついた時は「素晴らしい例えだ。話の流れに乗って上手いことが言えた」と思ったものの、読み返してみると、不思議とこれを読んだ人の困惑顔が脳裏に浮かんだ。