2019年6月の月間ベストセラー(日販調べ)

[prpsay img=”http://gamesukio.com/books/wp-content/uploads/2019/04/IMG_4369.png” name=”げいむすきお”] 2019年6月の月間ベストセラー(日本出版販売株式会社調べ)。5月とあまり変わり映えしないランキング。新入りは3位の『ノーサイド・ゲーム』、5位の『俺、つしま(2)』、9位の『世界一美味しい手抜きごはん』の三冊。逆にランキング落ちしてしまったのは『名探偵コナン 紺青の拳』、『メモの魔力』、『FACTFULNESS』の三冊。[/prpsay] [toc][toc label=”2019年6月の月間ベストセラー(日販調べ)”]

01位『一切なりゆき 樹木希林のことば』樹木希林

 2018年9月15日に他界された女優樹木希林の生前の言葉を集めた新書。2018年12月20日に発売して以降、1月、2月、3月、4月とずっと1位で、5月ついに2位に落とされたが、再度一位に返り咲き。強すぎる樹木希林。 私自身はあまり興味がもてないので、本屋でパラパラ見るくらいはするが買うことはないと思う。

02位『おしりたんてい かいとうとねらわれたはなよめ』トロル

 トロル作・絵の児童書の第9弾。5月の一位。おしりたんていシリーズは、少し大きめの本屋に行くとシリーズ全話平積みされており、ポップやポスターもかなりの数見かける。本好きの子が増えるといいな、と思いながら眺めている。

03位『ノーサイド・ゲーム』池井戸潤

 池井戸潤の書きおろし小説。6月13日に発売され、7月7日からはTBSの毎週日曜21時00分から21時54分の枠で、ドラマが放送予定されている。ドラマが終わるまでは、ずっとランキングに載り続けるだろうと思う。
 主人公は一流自動車メーカーの経営戦略室所属のエリート。ところがとあることをきっかけに、本社勤務から横浜工場へと左遷されてしまう。異動先では弱小ラグビー部「アストロズ」のゼネラルマネージャーを兼務するよう命じられる。ラグビーの経験はまったくないが、経営戦略室で培った知識を使って、アストロズを盛り上げていく。
 池井戸潤原作のドラマはどれも好評で、半沢直樹の「倍返しだ!」が特に有名だが、他のテレビドラマも高視聴率を記録している。どれくらいドラマ化されているのか一覧表を作ってみた。

放送期間ドラマタイトル(主演)原作タイトル放送局
2009.03.29~04.26空飛ぶタイヤ(仲村トオル) 空飛ぶタイヤWOWOW
2010.07.03~07.31鉄の骨(小池徹平 ) 鉄の骨NHK
2011.08.21~09.18下町ロケット(三上博史) 下町ロケット WOWOW
2013.07.07~09.22半沢直樹(堺雅人) オレたちバブル入行組
オレたち花のバブル組
TBS
2013.07.13~08.03七つの会議(東山紀之) 七つの会議 NHK
2014.04.16~06.18花咲舞が黙ってない(杏) 不祥事
銀行総務特命
日本テレビ
2014.04.27~06.22ルーズヴェルト・ゲーム(唐沢寿明) ルーズヴェルト・ゲーム TBS
2014.10.19~11.16株価暴落(東山紀之) 株価暴落 WOWOW
2015.04.13~06.15ようこそ、わが家へ(相葉雅紀) ようこそ、わが家へ フジテレビ
2015.07.08~09.16花咲舞が黙ってない(杏) 不祥事 日本テレビ
2015.07.24~09.18民王(遠藤憲一、菅田将暉) 民王 テレビ朝日
2015.10.18~12.20下町ロケット(阿部寛) 下町ロケット
下町ロケット ガウディ計画
TBS
2017.07.09~09.03アキラとあきら(向井理、斎藤工) アキラとあきらWOWOW
2017.10.15~12.24陸王(役所広司) 陸王TBS
2018.10.14~12.23下町ロケット(阿部寛) 下町ロケット ゴースト
下町ロケット ヤタガラス
TBS
2019.07.07~09.??ノーサイド・ゲーム(大泉洋)ノーサイド・ゲームTBS

04位『樹木希林 120の遺言』樹木希林

 1位の『一切なりゆき 樹木希林のことば』と同じく女優樹木希林の生前の言葉を集めた書籍。こちらもずっと10位以内に入り続けている。1000円以上するにも関わらず、こんなに売れ続けているというのは、素直にすごいと思う。

05位『俺、つしま(2)』おぷうのきょうだい

 おぷうのきょうだい作の猫との日常を描いたコミック第二巻。主人公のキジトラ「つしま」の実話をベースに展開される猫愛あふれるストーリー 。Twitterに投稿された漫画に加筆修正を施し、書下ろしを加えて刊行。作者のおぷうのきょうだいは、実の兄妹ユニット。兄が絵を、妹が文章を担当している。そもそもはおぷう妹のブログが始まりで、書いた記事に合わせて兄に絵をかいてもらっていたのが、舞台がTwitterになったことで、イラストがメインとなり、おぷう兄が主体となり、イラストが漫画になり、書籍化ということのようだ。

06位『おしりたんてい カレーなるじけん』トロル

 トロル作・絵の児童書の第8弾。この本を原作とする映画が2019年4月26日に公開された。5月の4位から順位を下げたもののまだまだ売れている。

07位『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

 瀬尾まいこ著の小説。2019年本屋大賞受賞作品。主人公の森宮優子は高校三年生。事故で母を亡くしたことに始まり、親の再婚、離婚で7回も家族の形態が変わってしまっている。だけど不幸ではないと言い切る。それはいつも近くに愛してくれる人がいるからだ。読もう、読もうと思っていて、ついに読んだ。

 書評的なものを書いたので、読もうかどうしようか迷っている人は参考にして欲しい。

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ【ネタバレなし】ハラハラドキドキより安らぎを求める人向けの話。

08位『きのう何食べた? ~シロさんの簡単レシピ~』講談社

きのう何食べた?』はよしながふみ著の人気漫画。その人気漫画が西島秀俊内野聖陽のダブル主演でドラマ化した。これはそのオフィシャルブックとして、ドラマガイドや、劇中に登場する料理レシピを収録した一冊。 ドラマは2019年6月28日に最終回を迎えた。

09位『世界一美味しい手抜きごはん』はらぺこグリズリー

 はらぺこグリズリー著のレシピ集。とりあえず、著者名のインパクトがすごい。グリズリー……いわゆるハイイログマなら手抜きも何も生で丸かじりだろう。熊は雑食で、鹿や牛も食べるが、北海道のお土産木彫りの熊に見られるように魚も好きだ。そして、松の実なんかの植物も食べる。昆虫も食べる。それがはらぺこなんだから、その食欲たるやいかばかりか。
 ブログの書籍化であり、はらぺこグリズリーはハンドルネーム。名前の由来は「食べ物にまつわるものと、何かしらの名前を組み合わせよう」という所からスタートし、名前部分は”小さいころからクマのプーさんが好きで夜はぬいぐるみと一緒に寝ていた”こと、”小さいころ暇を持て余して家の中をウロウロしていると「動物園のクマみたいだよ」と言われた”こと、 “グリズリー・スーツと呼ばれる特殊なスーツを動画で見てかっこよかった”ことから決まったそうだ。

 全工程に写真がついていて、材料はスーパーやコンビニなどどこでも売っているもので、誰でもいつでも簡単に作れるような料理のレシピ集。

10位『妻のトリセツ』黒川伊保子

 黒川伊保子著の実用書。”脳科学をベースに男女脳の違いからくる夫婦のすれ違いを紐解き、奥様の考えていることや行動の理由をズバリと解析。それに対してどのような言動をとれば、奥様にとって最愛の夫でい続けることができるのかという具体的な作戦を提示“するとのこと。
 妻をもののように例えるこのタイトルは、フェミニスト団体からクレームはこないのかと心配になるが、自主回収騒ぎになっていないところをみると、それほど大きな問題にはなっていない様だ。”どのような言動をとれば、奥様にとって最愛の夫でい続けることができるのかという具体的な作戦を提示“するという女性が変わるのではなく、男性が変わるべきだという内容であり、フェミニスト団体的には毒にも薬にもならない関わりのない内容だから許されているのだろうか。著者の主張する”男女で脳に違いがある”という一点だけとっても「男はこうで女はこう」と画一化するような「ジェンダーのステレオタイプ」を唱える言質に聞こえ、フェミニスト団体的にはどうなのか気になる。

最後に

[prpsay img=”http://gamesukio.com/books/wp-content/uploads/2019/04/IMG_4369.png” name=”げいむすきお”] 6月のベストセラーは特に買いたいものがない。6月18日に芥川龍之介賞と直木三十五賞の候補作が発表になったので、その中のいくつかを読めたらいいなと思っている。両賞の発表は7月17日。7月のランキングの見所は「芥川龍之介賞は樹木希林に勝てるか」だ。[/prpsay]

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