・2019年11月19日からクラウドゲームサービスStadia開始
・最初は14か国からスタートで日本のサービス開始時期は未定
・回線速度は最低10Mbps必要。35Mbpsあれば快適に遊べる。
・無料会員はソフトを個別に購入する必要あり
・有料のStadia Proは月額9.99ドル
・Stadia Proは自由に遊べるソフトがいくつかある
・Stadia Proはソフト購入時に割引あり
・無料会員でも1080p、HDR、60FPS、5.1chサラウンド可
・Stadia Proなら4K、HDR、60FPS、5.1chサラウンド可
米Googleが10月15日にハードウェア発表イベント「Made by Google」でクラウドゲームサービス Stadia を11月19日から14か国にて開始することを発表した。ただ、日本はその14か国には入っておらず、いつからサービス開始になるかは不明のまま。
ゲーム機本体がネットの向こう側にあって、コントローラだけ手元にあるイメージ。
プレイヤーが右を押すと、「右が押された」という情報がネットを介してクラウドゲーム機に届く。その届いた情報をクラウドゲーム機が処理して、どうなったかを動画として送り返してくれる。
「右が押された」という情報を送る装置や、送り返してきた動画を画面に映すための装置は必要だが、これまでのように高性能な機器が手元にある必要はない。
ただし、ネットを介するため、そこで遅延が発生する可能性がある。
今現在もクラウドゲームはいくつかあるが、今一つ流行ってはいない。PlayStationNowはStadiaと同じように定額でいくつかのゲームが遊べるサービスをしているし、Switchにはそういった定額で複数のゲームが遊べるサービスはないもののバイオハザード7やアサシンクリードオデッセイがクラウドゲームとして遊べる。しかし、それらがあったとしても、クラウドゲームがメジャーになったとは言い難い。
それら現存のサービスとSTADIAの違いが何か調べてみる。
これまでのクラウドゲームとSTADIAの違い
基本的な部分で大きな違いはないようだ。ただ、その基本的な部分の性能が他と比べると頭一つ抜き出ている。
現状のサービスと比べて優れていると思われる点を3つ挙げて解説する。
2.遅延が起きにくいようにプレイヤーとサーバーが直接つながる。
3.専用の機器がいらない。
1.ネットの向こう側にあるゲーム機の性能が非常に高い。
PS4proやXboxOneXをはるかに超え、NVIDIAのGPU「GeForce RTX 2080」と同程度の処理を、一人一人に対して出来るだけの能力を持っているらしい。
2.遅延が起きにくいようにプレイヤーとサーバーが直接つながる。
クラウドゲームの一番の弱点が遅延。ネット回線を挟む以上は、そこでの遅延はまぬかれえない。それを少しでも減らすためにプレイヤーの持っている機器とサーバーとを直接つなぐとのこと。インターネットは普通、蜘蛛の巣の縦糸横糸を辿るように、中継地点を経由して目的のサーバーまでたどり着くため時間がかかるが、それを一直線につないでしまうことで少しでも遅延をなくそうということらしい。世界中にサーバーを持つGoogleの言うことだから完全にハッタリではないだろうけど、そんなこと出来るのかな? 都会だけしか遊べませんということになるのかな?
実際どれくらいの回線速度があれば遊べるのかというのは発表されている。
速度 | 解像度 | fps | HDR | サウンド |
---|---|---|---|---|
10Mpbs | HD(720p) | 60fps | × | ステレオ |
20Mpbs | FHD(1080p) | 60fps | 〇 | 5.1chサラウンド |
30Mpbs | 4K(2160p) | 60fps | 〇 | 5.1chサラウンド |
最低10Mbpsは必要で、35Mbpsあれば快適に遊べるようだ。
ただし、4K・60fps・HDR・5.1chサラウンドで遊ぶためには、月額9.99ドルのStadia Proを契約しないといけない。
3.専用の機器がいらない。
Google Chrome上で遊べるとのことであり、WindowsでもAndroidでもMacでもiPhoneでも関係なく、Google Chromeが動く環境ならいいようだ。ブラウザゲームを遊ぶような感覚で、最新ゲームが遊べるという感じになるのだろうか。専用のコントローラも発売されるが、汎用コントローラでも遊べるとのこと。
利用料
いくら素晴らしいサービスでもあまりに高いと手が出せない。日本でのサービス開始は未定なので、アメリカではどうなるのかを調べてみた。開始当初(11月19日)の価格だ。
遊ぶソフトは全て個別に購入しないといけない。いくら回線が良くても、解像度がFHD(1920×1080p)でしか遊べない。
月額9.99ドル。ソフトを全く購入していなくても、ライブラリに入っている特定のソフトが遊べる。また、ソフトを買う際にも割引が受けられる。回線さえ良ければ、解像度が4K(3840×2160p)で遊べる。
専用コントローラも発売されるが、市販のコントローラ(PC用、PS4用、XOBXOne用等々)も使えるため、買わない遊べないといけないというわけではない。ただし、2019年11月19日のサービス開始時から遊ぶためには買わないといけない。
専用コントローラ
現在(2019年10月)は、Google公式ストアで「Stadia Premiere Edition」が販売されている。価格は129ドル。
・専用コントローラ「Premiere Edition」
・Chromecast Ultra(4Kを60FPSでストリーミングが出来る)
・Stadia Pro利用権3か月分
参考 Stadia Premiere EditionGoogleストア
2019年11月19日から遊べる国
- 北米(アメリカ合衆国、カナダ)
- 北欧(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)
- 西欧(アイルランド、イギリス、オランダ、ドイツ、フランス、ベルギー)
- 南欧(イタリア、スペイン)
最初期は北米と欧州のみ。お膝元のアメリカとカナダは兎も角、なんで欧州? アジアが一切含まれないのはなんでだろう。回線速度の問題かな?
世界の回線速度
「DIGITAL 2019: GLOBAL DIGITAL OVERVIEW 」によると、回線速度トップはシンガポールで、日本は23位。
上位ではないが、ヨーロッパ諸国と比べて、そこまで遅いわけではない。日本はPCよりもCS機の方が強いし、Stadiaは浸透しないと踏んで後回しにされたかな。それとも、逆にゲームが盛んだから、多くの人が同時にアクセスしたら重くてゲームにならない可能性があって、遊ぶ人数が少ないと思われる欧州でノウハウをためて日本に挑むつもりだろうか。