2020年3月の月間ベストセラー(日本出版販売株式会社調べ)。COVID-19の影響で3月2日から小中高が休校となった。その影響で、小中高向けの書籍が売れるかと思いきやそれほど関係はなかった様子。鬼滅の刃は元々2020年2月のランキングでも2位、3位なので休校の影響というわけではないだろう。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」がこのタイミングで上がってきたのは休校の影響だろうか?[/prpsay]
[toc][toc label=”2020年3月の月間ベストセラー(日販調べ)”]01位『オーバーロード(14)』丸山くがね
丸山くがね著のライトノベルの第14作目。漫画化、アニメ化、ゲーム化(Android、iOS)もされている人気作。
人気オンラインRPG「ユグドラシル」が終了する日、主人公はゲームにログインし、カウントダウンを聞いていた。カウントダウンが終われば、当然「ユグドラシル」は終了し、主人公は強制的にログアウトさせられるはずだった。ところがカウントダウンが終わっても、主人公は相変わらず、「ユグドラシル」の世界の中にいた。それだけではない。プログラミングされているだけのはずのゲーム内のキャラクターが意思を持ったように自由に動きまわり、喋り始めたのだ。実は「ユグドラシル」はすでに終了しており、主人公は異世界に転移していたのだ。
14巻ではナザリックは王国に宣戦布告。カッツェ平野での大虐殺で未だ混迷を極める王国のさらなる窮地に王子ザナックが、蒼の薔薇が、ブレインが立ち上がる。
02位『鬼滅の刃 片羽の蝶』吾峠呼世晴、矢島綾
吾峠呼世晴作のコミック「鬼滅の刃」のノベライズ作品2作目。この作品のアニメが「TOKYO MX」にて2019年4月6日から9月28日までの間、放送された。
舞台は大正時代。鬼に家族を殺された炭治郎が、家族を殺した鬼に復讐し、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すために旅をする物語。
03位『鬼滅の刃 しあわせの花』吾峠呼世晴、矢島綾
吾峠呼世晴作のコミック「鬼滅の刃」のノベライズ作品1作目。コミックタイトルの読み方は「きめつのやいば」で作者名の読み方は「ごとうげ こよはる」。2019年2月に発行され、10月に2作目が出たタイミングで、同時にランキングに浮上してきた。その後、ノベライズ1作目のこの作品だけ10位外に出ていたが、鬼滅の刃の人気は衰えず、再浮上。1月は2巻が上、2月は1巻が上、3月亞は2巻が上と交代しながら上位に居続けている。
04位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ
ブレイディみかこ著のエッセイ。2019年11月の11位で見てからしばらく沈んでいたが、再浮上。「息子が人種も貧富もごちゃまぜのイギリスの中学に通うようになる。そこでの出来事は毎日が事件の連続で、人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧がいたり、貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり……」というノンフィクション作品。
05位『乃木坂46 与田祐希2nd写真集 無口な時間』与田祐希、菊地泰久
乃木坂46与田祐希のセカンド写真集。撮影は菊地泰久。ロケ地はイタリア・ミラノ。
付録としてよだゆうき おまけブック(16ページ)、両面ポスター1枚(全4種)が付く。
06位『シャーク&co.』
デアゴスティーニ販売のサメのフィギュア。TPR (熱可塑性ゴム)製で、大きさは約18cm程度。全16種。1パックにシャークフィギュアが一個と、そのフィギュアの説明小冊子が1冊入っている。
中にはちょっとしたギミックがついているものもある。「アオサメ」「ヨゴレザメ」 「イエローマウス・バラクーダ」「ポート・ジャクソン・ ネコザメ」の4種類は暗闇でほんのり光る。「ホオジロザメ」は温度で色が変わる。
参考 シャーク & Co. | デアゴスティーニ・ジャパンDeAGOSTINI デアゴスティーニ・ジャパン
07位『転生したらスライムだった件(16)』伏瀬
伏瀬著のライトノベルの第16作目。小説投稿サイト『小説家になろう』で2013年2月20日から連載されていたWEB小説を改訂して出版されたいわゆるなろう小説。漫画化、アニメ化、ゲーム化(Android、iOS)もされている人気シリーズ。
(舞台となる世界からすると)異世界である日本にすむ37歳のサラリーマン三上悟が通り魔に刺されて死亡し、スライムとして転生し、転生先の世界で生きていく物語。
ミカエルがルドラの身体を乗っ取った件、妖魔王フェルドウェイの暗躍、そして地下迷宮のラミリス防衛戦などの問題を残しつつも、とりあえずは帝国との戦いに勝利を収めたリムルは部下たちの面談を行う。
ネットで見たあらすじをさらに簡略化したので、多少違っているかもしれない。
08位『クスノキの番人』東野圭吾
その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。
不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。そこで賭けに出た玲斗は従うことに。
依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。「あなたにしてもらいたいこと――それはクスノキの番人です」と。
『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たなエンターテインメント作品。長編書き下ろし。
(実業之日本社公式ページより)
東野圭吾著のエンターテインメント小説。
東野圭吾曰く「人殺しの話ばかり書いていると、時折ふと、人を生かす話を書きたくなるのです」とのこと。
東野圭吾レベルともなると、PVまで作られるようだ。
09位『syunkonカフェごはん レンジでもっと!絶品レシピ』山本ゆり
山本ゆり著の料理本。作者の山本ゆりは料理ブロガー。「『syunkon』ってなんだ? 『瞬間』ではなくてsyunkon?」と思い調べてみると、作者のブログのプロフィール欄に由来が書いてあった。
「syunkon」というのは「春魂」と書いて、高校時代のバスケットボール部の部旗やTシャツに書いてあった言葉です。(春がつく高校名)特に意味はわからず、今となってはなぜこれをブログ名にしたのかもうまく説明できませんが、いつまでもこの時毎日必死に頑張っていた気持ちを忘れないようにしたい、いつまでもバスケ部とつながっていたいとかそんなんじゃないかと推測しています。
イントネーションは混沌・新婚・あんまんと同じです。
URL:https://profile.ameba.jp/ameba/syunkon/
参考 含み笑いのカフェごはん『syunkon』山本ゆりオフィシャルブログ
010位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治
宮口幸治著の実用書。著者は児童精神科医。医療少年院での勤務経験もある。作者は言う。”少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。“。非行少年が非行少年たる所以は「人格の良し悪し」ではなく、「認知能力の有無」であり、社会生活を送るうえで必要な能力を持たず、その能力を手に入れようにも、頑張った先に何があるかを想像することが出来ないため努力もできず、「今したことは悪いことなんだ」と指摘されても反省することすらできない。認知能力を鍛えることで、善悪の判断がつくようにしよう、というような話。
書評的なものを書いたので、読もうかどうしようか迷っている人は参考にして欲しい。
『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治【感想】倫理ではなく認知の問題。
11位以下
11位『世界一美味しい手抜きごはん』はらぺこグリズリー
12位『こども六法』山崎聡一郎
13位『日向坂46ストーリー』日向坂46
14位『はじめてのやせ筋トレ』とがわ愛
15位『超解読 鬼滅の刃 大正鬼殺考察録』
16位『小説 映画ドラえもん のび太の新恐竜(小学館ジュニア文庫)』藤子・F・不二雄
17位『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』Jam
18位『プロ野球カラー名鑑 2020』
19位『おとなの週刊現代 2020(2)死後の手続き』
20位『話すチカラ』齋藤孝
11位以下は、バラエティ豊かな顔ぶれとなった。その中でも、タイトルや著者名が妙なのは大体ブログやSNSの書籍化。