2019年7月の月間ベストセラー(日販調べ)

げいむすきお
 2019年7月の月間ベストセラー(日本出版販売株式会社調べ)。2019年7月17日に第161回芥川龍之介賞、直木三十五賞が発表されたから、受賞作品か候補作品が一冊位入ってくるかと思ったら全くだった。
 それよりも夏休みということで、小学生向けの書籍がよく売れていたようだ。

01位『もっと ざんねんないきもの事典』今泉忠明

 今泉忠明著の生物事典。NHK教育テレビでショートアニメ化もされている「ざんねんないきもの事典」シリーズの最新刊。このシリーズは、これまでに「ざんねんないきもの事典」「続 ざんねんないきもの事典」「続続 ざんねんないきもの事典」と出版されていて、今回で4作目。
 2018年に行われた子供の本 総選挙(ポプラ社発表)では、1作目が堂々の1位を飾った。日販の2018年年間ベストセラーを見てみても、1作目が3位、2作目が6位、3作目が11位と全作ランキングに入っており、今回の月間ベストセラー1位も納得の作品。2019年の年間ベストセラーにも入ってくるであろう作品だ。
 子供向けだが、大人が読んで楽しめるし、大人が読んだ上で子供に読ませたいと思う作品だと思う。
 例えば、1作目に収録されてる残念な生き物の一つ、シマリス。「シマリスの何が残念?」と思うが、説明を読むと納得する。”シマリスのしっぽはかんたんに切れるが、再生はしない“。確かに残念だ。”これはリスのなかまに共通するとくちょうで、敵におそわれたときにしっぽを捨ててにげるという、トカゲと同じ発想の防御方法です。“無論、説明はそれだけではなく、捨てて逃げる以外のしっぽの使い方や、ちゃんと事典らしく正式名称や生息地、大きさなどの解説も載っている。他にも”カメレオンの色が変わるのは気分しだい“”コウイカは体の色をあざやかに変化させるが自分の色は見えていない“などなど、見出しだけで興味をひかれるものばかりだ。

02位『一切なりゆき 樹木希林のことば』樹木希林

 2018年9月15日に他界された女優樹木希林の生前の言葉を集めた新書。2018年12月20日に発売して以降、1月、2月、3月、4月と1位、5月はおしりたんていに1位を譲ったものの6月には1位に返り咲き、今回はざんねんないきもの事典に1位を奪われた。それでも強い樹木希林。とはいえさすがに一緒にランキングに入り続けてきた 『樹木希林 120の遺言』の方はベスト10落ちしている。

03位『ノーサイド・ゲーム』池井戸潤

 池井戸潤著の書きおろし小説。6月のランキングに続き、7月も3位。6月13日に発売され、7月7日からはTBSの毎週日曜21時00分から21時54分の枠でドラマが放送開始されている。ドラマが終わるまでは、ずっとランキングに載り続けるだろうと思う。6月と同じくあらすじと池井戸潤原作のドラマ一覧を記載しておく。
 主人公は一流自動車メーカーの経営戦略室所属のエリート。ところがとあることをきっかけに、本社勤務から横浜工場へと左遷されてしまう。異動先では弱小ラグビー部「アストロズ」のゼネラルマネージャーを兼務するよう命じられる。ラグビーの経験はまったくないが、経営戦略室で培った知識を使って、アストロズを盛り上げていく。

放送期間ドラマタイトル(主演)原作タイトル放送局
2009.03.29~04.26空飛ぶタイヤ(仲村トオル) 空飛ぶタイヤWOWOW
2010.07.03~07.31鉄の骨(小池徹平 ) 鉄の骨NHK
2011.08.21~09.18下町ロケット(三上博史) 下町ロケット WOWOW
2013.07.07~09.22半沢直樹(堺雅人) オレたちバブル入行組
オレたち花のバブル組
TBS
2013.07.13~08.03七つの会議(東山紀之) 七つの会議 NHK
2014.04.16~06.18花咲舞が黙ってない(杏) 不祥事
銀行総務特命
日本テレビ
2014.04.27~06.22ルーズヴェルト・ゲーム(唐沢寿明) ルーズヴェルト・ゲーム TBS
2014.10.19~11.16株価暴落(東山紀之) 株価暴落 WOWOW
2015.04.13~06.15ようこそ、わが家へ(相葉雅紀) ようこそ、わが家へ フジテレビ
2015.07.08~09.16花咲舞が黙ってない(杏) 不祥事 日本テレビ
2015.07.24~09.18民王(遠藤憲一、菅田将暉) 民王 テレビ朝日
2015.10.18~12.20下町ロケット(阿部寛) 下町ロケット
下町ロケット ガウディ計画
TBS
2017.07.09~09.03アキラとあきら(向井理、斎藤工) アキラとあきらWOWOW
2017.10.15~12.24陸王(役所広司) 陸王TBS
2018.10.14~12.23下町ロケット(阿部寛) 下町ロケット ゴースト
下町ロケット ヤタガラス
TBS
2019.07.07~09.??ノーサイド・ゲーム(大泉洋)ノーサイド・ゲームTBS

04位『希望の糸』東野圭吾

 東野圭吾著のサスペンス小説。加賀シリーズではないが、加賀恭一郎もわき役として出てくる。家族愛がテーマだそうだ。東野圭吾は読むと面白いのだが、今一つ読みたいという気にならない。

内容(公式サイトから引用)

東野圭吾の最新長編書き下ろしは、「家族」の物語。


「死んだ人のことなんか知らない。あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」

 ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。


 閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。 容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。

(講談社公式ページより)

 うーん。何の話やらよくわからないな。

05位『おしりたんてい かいとうとねらわれたはなよめ』トロル

 トロル作・絵の児童書の第9弾。5月1位、6月2位ときて、7月は5位に。
 7月1位のもっと ざんねんないきもの事典について調べているなかで子供の本 総選挙というものを知ったので、おしりたんていシリーズは何位だったのか確認したら5位と6位をとっていた。強いな、おしりたんてい。

06位『かみさまにあいたい』当原珠樹

内容(公式サイトから引用)

 大好きだったおばあちゃんを亡くしてしまった、雄一。ある日、同級生の竜也より、「神さま」と会ったことがあるという話をきく。


「神さま」って、本当にいるの? もし会えたら、ひみつの願いごとをかなえてくれる?

 雄一は、竜也といっしょに、「神さま」との交信を試みるが…。


 悲しみと向き合いながら、前に進もうとする少年たちの物語。

(公式ページより)

07位『ころべばいいのに』ヨシタケシンスケ

 ヨシタケシンスケ作の絵本。タイトルから話を勝手に想像してみる。何かしら誰かしらに恨みを「ころべばいいのに」と思っていたら自分がころんでしまう教訓めいた話、もしくは色んな動物がころぶシチュエーションを描いた面白可笑しい話に違いない。
 実際は”「イヤな気持ちって、自分じゃどうしようもない。そんなときはね……!」イライラ、もやもやしたらどうする? 子どもも大人も共感すること、間違いなし! ヨシタケ流こころの処方箋。ブロンズ新社公式サイトから引用) “ということらしい。
 作者のヨシタケシンスケはイラストレーター兼絵本作家で、イラスト集も絵本も多数出版している。2018年の子供の本 総選挙では、ヨシタケシンスケの絵本は2位、3位、7位、10位をとっている。

08位『かいけつゾロリ うちゅう大さくせん』原ゆたか

 原ゆたか著の児童書。 かいけつゾロリシリーズの65作目。宇宙に取り残された人を助けるために、ゾロリとイシシ、ノシシはおならエネルギーで動くロボットで宇宙に飛び立つ。取り残された人を探す途中、恐ろしい生き物や、宇宙人が現れて……というお話。
 65作目ってすごいな。1作目のかいけつゾロリのドラゴンたいじが1987年11月1日発売で、2019年7月4日に65作目が発売、 半年に一冊のペースで発行されている。

09位『魔女ののろいアメ』草野あきこ

 第65回(2019年)青少年読書感想文全国コンクール 小学校低学年の部の課題図書。5位の『かみさまにあいたい』が小学校中学年の部であったのに対し、これは小学校低学年の部。青少年読書感想文全国コンクールの公式サイトの本の紹介をみると、見所は”食べると気絶してしまう「のろいアメ」。サキはおねえちゃんの悪口をいいながらアメをつくりますが、優しい時もあったことに気がつきます。きらいな人や苦手な人も、思い返すとよい一面が見えてくるかもしれません。“とのこと。低学年向けの優しい物語のようだ。

10位『おしりたんてい カレーなるじけん』トロル

 トロル作・絵の児童書の第8弾。この本を原作とする映画が2019年4月26日に公開された。5月の4位から順位を下げたもののまだまだ売れている。

最後に

げいむすきお

 夏休みに入ったためか、児童書に占められたランキングだった。スマホのディスプレイの大型化に伴って、電子書籍も読みやすくなったために、紙の本を買わなくなった人も増えているだろうが、だからといって「それなら児童書も電子書籍で」というわけにはいかないので、一般向けより児童書の方が相対的に売れているということになるのだろうか。

 子供の頃は夏休みの課題図書なんて一欠片の興味もなかったが、大人になった今、公式サイトを見てみると、意外と興味を惹かれる本もある。ざっと見た感じだと、高校の部の「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ:あなたがくれた憎しみ」”白人警官が無抵抗の黒人少年を射殺した。真実が歪められる中、目撃者の女子高生が立ち上がる。映画化もされた米国の社会問題に迫る話題作!“が面白そうだった。ちらっと検索してアマゾンで見たら「よく一緒に購入されている商品」が、同じく高校の部の課題図書だった。買う人はまとめて買うんだな。

「面白そうな本があったら読もう」と思って、月ごとのベストセラーをみているのに、ランキング入りしている本がどういう本かを調べようとしたら、こどもの本総選挙のサイトやら読書感想文全国コンクールのサイトやらばかり見ることになり、小学生向けの本にばっかり詳しくなっていく。

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