2020年6月の月間ベストセラー(日本出版販売株式会社調べ)。流浪の月がランキング落ちする前に、書評的なものが書けて良かった。まだしばらく、あつ森ブーム、鬼滅ブームは続くだろうし、「ざんねんないきもの事典」シリーズは3ヶ月程はランキングに残り続けるだろう。7月、8月はランキングの変動はあまりないかもしれない。
[/prpsay] [toc][toc label=”2020年6月の月間ベストセラー(日販調べ)”]01位『あつまれどうぶつの森 ザ・コンプリートガイド』電撃ゲーム書籍編集部
電撃ゲーム書籍編集部編集のゲーム攻略本。ゲームの情報は、ネットでも手に入るが、多すぎて何を信じていいかわからない。そんな時に信頼できるベースの情報として攻略本を手元に置き、足りない情報をネットで手に入れるというのが一番手間がなくていいだろう。特にどうぶつの森は細かいところまで作りこまれていて、一つ調べたらそれで終わりというものではないので、辞書的なものが一つ欲しくなる。
ゲームはネットを通じて更新されていくのに、紙の書籍は情報を更新することが出来ないため、段々と「知りたい情報が載っていない!」という事態が増えていくのだが、どうぶつの森を遊ぶ層はそんな細かいことは気にしないのだろう。
自分の子供の頃を振り返って考えてみても、やはり攻略本にそこまで完璧なものは求めていなかったように思う。
02位『あつまれ どうぶつの森 完全攻略本+超カタログ』ニンテンドードリーム編集部
ニンテンドードリーム編集部監修のゲーム攻略本。2020年5月はこちらが1位で、6月に1位の電撃ゲーム書籍編集部監修のどうぶつの森攻略本は6位だったのに、逆転を許してしまった。
03位『鬼滅の刃 しあわせの花』吾峠呼世晴、矢島綾
立ち寄った村で婚礼に招待された炭治郎たち。禰豆子と同じくらいの年である花嫁の艶姿を見て、炭治郎は妹の倖せを思う。
他、鬼殺隊の本編では語られなかった出来事が明らかに。
我妻善逸がはじめて鬼を斬ったその日の出来事とは。
炭治郎、善逸、伊之助の『女難の相』とは。
蝶屋敷の少女たち、アオイとカナヲのひそやかな一日の出来事とは。
そして大好評番外編『キメツ学園』のノベライズも。
吾峠先生完全監修、描きおろしイラストも多数収録。ファン必見の一冊になること間違いなし。
(集英社公式サイトより)
吾峠呼世晴作のコミック「鬼滅の刃」のノベライズ作品1作目。
舞台は大正時代。鬼に家族を殺された炭治郎が、家族を殺した鬼に復讐し、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すために旅をする物語。
04位『鬼滅の刃 片羽の蝶』吾峠呼世晴、矢島綾
鬼に両親を殺された幼いカナエとしのぶを助けた悲鳴嶼。鬼殺隊に入り、両親の仇を討ちたいと熱望する二人に、親戚のもとで娘らしい暮らしを送ることこそが幸せだと諭すが、姉妹は頑として聞き入れない。根負けした悲鳴嶼は二人にある試練を与える…。
他にも、蜜璃が恋心を封印してしまったり、お館様の命により柱全員で冨岡を笑わせようとしたり、不死川兄弟の絆の物語、さらには善逸と伊之助が宇髄との柱稽古で温泉探しに挑むなど盛りだくさんの内容でお届け!
そして大人気「キメツ学園」小説版も帰ってきた!!
(集英社公式サイトより)
吾峠呼世晴作のコミック「鬼滅の刃」のノベライズ作品2作目。
05位『女帝 小池百合子』石井妙子
石井妙子著のノンフィクション。2020年7月30日の都知事任期満了を前にした5月29日に出版された。公職選挙法では、任期満了となる前30日以内に次の都知事選を実施しなければいけないことになっているため、今回であれば6月30日から7月29日の間に都知事選が行われる見込みがあり、「次の都知事選にも小池百合子は出馬するだろう」という予測の元に出版の予定がたてられたに違いない。その狙い通りに、6月期の売上は5位と上々だ。
06位『夏目友人帳(25) 』緑川ゆき
緑川ゆき作のコミック25作目。
普通の人には見えない妖怪を見ることが出来る夏目貴志は、同じく妖怪が見えた祖母の遺品の中から、妖怪の名が綴られた「友人帳」を見付ける。それは、祖母が妖怪たちから奪った名を集めた契約書の束だった。それは妖怪たちの間で「多くの妖を従え、使役出来る宝物」として噂が広まり、妖怪に狙われる事になる。貴志は友人帳を奪いに来た妖怪斑と「死んだら友人帳をやる」との約束をし、用心棒になってもらう。斑は招き猫を依り代としており、普通の人間には頭の大きな猫に見えるため、ニャンコ先生と呼ばれている。
仲間たちとともに妖怪と戦い、友人帳を作った祖母の秘密を明らかにしていく。
07位『syunkonカフェごはん(7)』山本ゆり
山本ゆり著のレシピ本。「syunkonカフェごはん」としては7冊目で、山本ゆりの書籍としては10冊目。直近で山本ゆりのレシピ本がランキングに入ったのは、2020年3月の「syunkonカフェごはん レンジでもっと!絶品レシピ」だった。
「『syunkon』ってなんだ? 『瞬間』ではなくてsyunkon?」と思い調べてみると、作者のブログのプロフィール欄に由来が書いてあった。
「syunkon」というのは「春魂」と書いて、高校時代のバスケットボール部の部旗やTシャツに書いてあった言葉です。(春がつく高校名)特に意味はわからず、今となってはなぜこれをブログ名にしたのかもうまく説明できませんが、いつまでもこの時毎日必死に頑張っていた気持ちを忘れないようにしたい、いつまでもバスケ部とつながっていたいとかそんなんじゃないかと推測しています。
イントネーションは混沌・新婚・あんまんと同じです。
URL:https://profile.ameba.jp/ameba/syunkon/
参考 含み笑いのカフェごはん『syunkon』山本ゆりオフィシャルブログ
08位『還暦からの底力』出口治明
「還暦からの」と銘打ってますが、還暦未満のあなたにもきっと役立つ。
人生100年時代をパワフルに行動するための出口流初の人生指南!!
人生の楽しみは喜怒哀楽で決まります!
こんな時代だからこそ、元気にいきましょう!
本書には出口さんのように元気に生きるヒントが満載です。
(講談社公式サイトより)
出口治明著の自己啓発本。
作者の出口治明は日本の実業家で、ライフネット生命保険株式会社創業者。1948年生まれなので、この本の出版日には72歳になっている。確かに還暦からの底力という感じはする。
著者は″「飯・風呂・寝る」から「人・本・旅」の人生へ″と会社を中心にした生活からの脱却を訴え、還暦以前の人間にも強いメッセージを発している。
09位『さらにざんねんないきもの事典』今泉忠明
今泉忠明著の事典。「ざんねんないきもの事典」シリーズ第5弾。第一弾の「ざんねんないきもの事典」が出版されたのが2016年5月21日。「続ざんねんないきもの事典」2017年6月10日、「続々ざんねんないきもの事典」2018年5月29日、「もっとざんねんないきもの事典」2019年6月27日ときて、2020年5月26日「さらにざんねんないきもの事典」出版となる。
昨年発売「もっとざんねんないきもの事典」は7月、8月、9月とランキング入りを果たした人気シリーズ。
子供向けではあるが、大人でも楽しめる内容になっている。知っている動物でも、知らないことはたくさんあって、興味深い。第5弾ともなると、さすがにネタがあるのか心配になるが、問題なく面白い様子。
10位『流浪の月』凪良ゆう
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
(東京創元社公式ページより)
凪良ゆう著の小説。2020年本屋大賞の大賞受賞作品。
主人公は自由な両親の元でのびのびと暮らしていたが、あることをきっかけに親戚の家に預けられることになる。その親戚の家は、主人公にとって安らげる場所ではなかった。
そこにある青年との出会いがあり、一緒にいて安心できると思った主人公は彼の家で暮らすこととなる。そこでの生活は安穏としており、自由を謳歌していたが、主人公はまだ少女と呼ばれるような年代。青年は未成年者略取、誘拐の罪に問われてしまう。世間の評価は幼女誘拐犯とその被害者というものだった。現実との乖離は大きかったが、主人公がどう取り繕ってもその評価は覆らない。ストックホルム症候群のために犯人に同情的なのだとしか受け取ってもらえないのだ。
そして、数年の時が流れ、主人公は青年と再会する。
書評的なものを書いたので、参考にどうぞ。
『流浪の月』凪良ゆう【ネタバレなし】都会の冷たさと田舎の排他性を同時に併せ持った社会が広がっている。
11位以下
11位『きたきた捕物帖』宮部みゆき
12位『人は話し方が9割』永松茂久
13位『シャーク&Co.』
14位『「繊細さん」の本』武田友紀
15位『気がつけば、終着駅』佐藤愛子
16位『てれびげーむマガジン July 2020』
17位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ
18位『FACTFULNESS』ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリングほか
19位『なぜ僕らは働くのか』池上彰、佳奈、モドロカ
20位『世界一美味しい手抜きごはん』はらぺこグリズリー
14位の『「繊細さん」の本』は最近流行のHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)に関する本。著者はHSP専門カウンセラー。誰にでも通用する様な解決策なんてものはないだろうが、共感できるところがあるだけでもいいんじゃないだろうかと思う。私には無縁の本だ。
最後に
[prpsay img=”http://gamesukio.com/books/wp-content/uploads/2019/04/IMG_4369.png” name=”げいむすきお”]ずっと読もう読もうと思っている『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』をそろそろ本当に読みたいと思う。『FACTFULNESS』はあまり興味がなかったが、11位以下とはいえ、あまりに長くランキングに残っているので気になってきた。
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