「酒場から出る」という表現
吾輩はいつもログインすることを「酒場から出る」と言っている。また、ログアウトしたまま2~3ヶ月に及ぶ長期の休養をしたときは「酒場に入り浸っていた」と表現しているのである。
しかし、この書き方は貴公に違和感を抱かせてはおらぬであろうか? いつも心配になるのである。「なんで酒場から出てくるの? 普段は酒ばっか飲んでるの?」と思われてはおらぬであろうか。
酒場登録とサポート仲間
『サポート仲間』として誰かに雇ってもらうためには、ログアウト時に酒場登録をしなければならない。
当然、そのことは貴公も知識として知ってはおると思う。しかし、あまり深く考えることはないのではないか?
そこに関する共通の認識がないと「酒場から出る」と言われてもピンとこないのではないかと思うのである。
冒険者の酒場
吾輩が酒場と言われて一番に思い浮かべるのは「ルイーダの酒場」である。一方、吾輩が利用しておる酒場は「冒険者の酒場」である。これがルイーダの酒場と同じものかどうかはわからぬ。
酒場のオーナーに関して「すごく有名な酒場の女主人で」「店で出すドリンクの新メニューを考えるのがシュミ」だとの情報があるだけである。これがルイーダなのかどうかは明言されておらぬのである。
ルイーダの酒場は以下のようなシステムである。
- 登録されている冒険者が酒場で待つ。
- 仲間を探している冒険者が、希望をスタッフに伝える。
- スタッフが「酒場で待機している冒険者」と「仲間を探す冒険者」を、引き合わせてくれる。
かつての冒険者の酒場は同じシステムであった。今は酒場で待つ必要がなくなった点が違うのである。
かつての冒険者の酒場
今では、町中でもフィールドでも好きなところで酒場登録ができるため、「酒場登録=酒場待機」とはならないのであるが、もともとはサポートなかまとして誰かに雇ってもらうためには各町の酒場にいるスタッフに話しかけてからログアウトする以外の方法がなかったのである。
そのため昔は「酒場で休む」と言えば、冒険の旅を中断することの暗喩であった。吾輩はそれを今でも使っておるのである。
しかし、バージョン1.4からはどこでログアウトをしても、酒場登録が可能となった。そのために、表現としておかしくなってしまったのである。
この変更は利便性の問題と、当時多かった自宅でのログアウトを望む声に世界がこたえたものである。
そのことは別に良い。ドラクエらしさを犠牲にしておるとか、なぜ最初からそうしなかったとか、その類の運営批判ではないのであるぞ。今更そこを突っ込んでどうなるものでもあるまい。
不便さよりも雰囲気を優先した方が良い場合もあるが、少々雰囲気を壊してしまうとしても使いやすさを追求した方が良い場合の方が多いであろう。「わかりやすさよりも使いやすさ」である。「フィールドでログアウトしたのに、酒場で呼び出されたらすぐに出てくるのはどういうわけだ」などと野暮なことは言わぬのである。
ただ、これがどういうことかわからぬと、ロールプレイがしにくいのである。ログアウトするとき、外で酒場登録をするとは、一体どういう状態なのであろうか。これはどう表現したら良いのであろうか。
「酒場の奥で待機していて、スタッフに呼ばれたら外に出てくる」
これが一番わかり良かったのであるが、今はその根本がゆらいでおるのである。
他にも疑問
ただ、あまり突き詰めていくと、他にもいろんな疑問が生まれてきてしまう。
同じ人物を複数の冒険者が雇えるのはどういうことであろうか? マネマネがモシャスを使って、本人になりかわりついていっておるのであろうか?
もしそうだとしたら、経験値がもらえるのはどういうことであろうか? コンシェルジュにストーリー経験値を預けておいて、好きなときにもらうことが出来るシステムがあるが、あれを応用したシステムなのであろうか?
とりとめがなくなってくるのである。
酒場で待機しておらずとも、何らかの連絡手段があり、それによって酒場のスタッフに呼ばれたら参上する形が一番自然であろうと思う。
しかし吾輩はそれを良しとしない。例え酒場ではなく自宅での待機が許されているとしても酒場で待機していることにしたいのである。吾輩がフィールドでログアウトしたとしたら、そのあとすぐに、酒場に出向いて待機し、ログインする前に酒場から出てきて、元の場所に戻ってから冒険の旅に出ることにしておきたいのである。
そのため、これからもずっと、ログインすることを「酒場から出る」と言い、ログアウトしたまま2~3ヶ月に及ぶ長期の休養をしたときは「酒場に入り浸っていた」と表現するのである。
そんなことを考えておると
そんなことを延々と考えておると、一歩も酒場を出ることなく一日が終わるのである。
吾輩はそういう種類の勇者である。
安楽椅子に座ったまま事件の謎を解決する探偵を安楽椅子探偵と呼ぶそうである。酒場に待機したまま世界の謎を解明しようとするタイプの勇者である吾輩のことは、酒場待機勇者と呼ぶと良いのである。