スライムから始めよ

 マイタウンを買うために、2億Gを貯めることにした吾輩であるが、1日の稼ぎが10万では2000日かかってしまう。実に5年以上である。今、手元にある7千万Gを計算に入れても、3年以上かかるのである。これでは買う前に世界が終わってしまうのである。

 かといって、なにもしないでいては、10年経っても、20年経っても、2億Gはたまらないのである。10年で世界が終わると公言されてはおるのではあるが、その時がこないとわからない。もしかしたら、その時が来たら「あと10年続けます」となるかもしれないのである。そうしたらいつか「あの時から10万ずつでも貯めていたら今頃マイタウンがかえておったのに!」となるかもしれないのである。

 出来ることから始めればよい。「スライムから始めよ」というやつである。

「スライムから始めよ」

 大きな目標を持っていても、まずは手近な所から始めていくのが良いという意味で使われる。『オーグリード大陸にドラゴンを倒したというオーガの戦士がいた。その戦士に「どうすればドラゴンが倒せるほどに強くなれるのか?」と、訊ねたところ「まずはスライムを倒せるようになりなさい。スライムが倒せたら次はドラキーです。ドラキーの次はゴースト……。そうして、少しずつ強い相手に勝てるように頑張りなさい。そうすれば、いずれドラゴンも倒せるようになるでしょう」と答えた』という故事が由来。

げいむすきお伝(種本): 若きウェディの悩み。

 まずは半分の1億Gを目指すのである。それが達成されれば、残りの1億Gの内の半分である5000万Gを目指す。達成されれば、残り5000万Gの半分の2500万G。そうやって、1250万G、625万G、312万5千Gと目標を残りの半分にしていって、半分、半分、半分、半分……で、1.490116119384765625G、0.7450580596923828125G。しまった。これは永遠に目標に追いつけないパラドックスのやつであった。事例を間違えたのである。

 いずれにせよ、どんな心構えを持っていたところで、2億Gがあまりに遠すぎる目標であることにかわりはない。そこに少しずつでも近づけるように、今は心構えよりも行動である。

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