以前から「ちょっといいキーボードが欲しいな」と思っていました。
コンパクトで、打ちやすくて、打鍵音がうるさくなくて……、どうせならスマホにも簡単に無線で接続できて欲しいのでBluetooth対応で、でもPC接続時は途切れたり遅延がおきたりしないよう有線にしたいのでUSB対応で、ただ持ち運びするときはUSBケーブルが邪魔になるから自分の好きな短めのUSBケーブルが使えるように取り外せて……、これまで数千円位のキーボードをいくつか使ってきたので、次は一度、万単位のキーボードを……。
そして買ったのがHHKB Professional HYBRID Type-S(英語配列)。なぜ、英語配列なのかは前記事を参照してください。
今で使い始めて4ヶ月ほどになります。とてもタイピングしやすく、ノートパソコンでブログを書くときも、HHKBをつないで使用するぐらい気に入っています。
ノートパソコンの上にHHKBを置けるように、専用のアクリル製キーボードカバーも売っているのですが、私の場合は写真通りの置き方で十分なため、買っていません。
まだ買って4ヶ月ほどですので、耐久性については何とも言えませんが、それ以外の部分において、これまで使ってみて良いと思った所、気になった所なんかをまとめてみたいと思います。
良い所
コンパクト
キーの大きさはしっかりとあってタイピングしやすいのに、全体としてはコンパクトに収まっています。
横幅がA4の長辺と同じで、奥行きはA4の短辺の半分の大きさですので、A4の書類が入る鞄ならそっと忍ばせておくことが出来ます。
ノートパソコンの上に置いて使えるのも、そのコンパクトさゆえです。
打ちやすい
キーボードで文字を入力することを、通常は「キーボードを打つ」と表現します。タイプライターからの流れでしょう。しかし、このキーボードに限ってはその表現は似つかわしくありません。キーを軽い力で押すと、すっと沈み込んで画面に文字がふわっとわいてくるイメージです。
そのおかげで長時間使っても疲労が格段に少ないように思います。
また、しっかり深さがあるため「押す気がなかったのに触れてしまって誤入力になった」ということもありません。加えて、単にタッチが軽いというだけではなく、押したキーが優しく確実に戻ってくるので、いつまでもこの感触を楽しみたくて、無駄に文字を入力したくなります。
打鍵音がうるさくない
次は打鍵音についてです。決して、音がしないというわけではないのですが、耳障りな感じがありません。静かなところだと、タイピングの独特のリズムも相まって、遠くからでも「ああ、キーボードでタイピングをしているな」とわかるぐらいにははっきりと音がします。
ただ、樹脂同士のぶつかるカチャカチャとした高い音ではなく、樹脂のこすれるカサカサしたような低音がメインです。打鍵音を擬音化したとき、よくあるキーボードであればカ行をメインにした擬音、カチカチ、カチャカチャと表現しますが、このキーボードはサ行をメインした擬音、カサカサ、サシュサシュと表現できるといった所です。
無線でも有線でも使える
Bluetooth対応で、無線接続をすることも出来ますし、USB対応で、有線接続をすることも出来ます。
Bluetoothのバージョンは4.2LE Class2、ペアリングは4台までできて簡単に切り替えることが出来ます。USBはType-cポートがついています。
無線接続時は単3形乾電池が2本必要ですが、有線接続時はUSBケーブルから給電されるため電池はいりません。
多くの有線キーボードはケーブルのおさまりが悪く、持ち運びにくいものですが、このキーボードの場合はケーブルが外せて、カバンの中に収めやすい所も良いと思います。
キーマップの変更が自由にできる
良かれと思っての事だと思いますが、キーの配置が少し特殊です。
Ctrlキーが【A】のすぐ横にあったり、BSキーがなくてFnキーとDelキーの同時押しでBSキーの代わりになったりとか、矢印キーがなくてFnキーと同時押しする必要があったりと、他では見ない独特の配置です。人間工学的に正しい配置になっているのだろうと思います。
しかし、私はどうしてもCtrlキーが【A】のすぐ横ということには慣れませんでした。矢印キーがないことには割とすぐに慣れたのですが、コピーをする為にCtrl+Cを押す必要があるときに、つい左手小指が左下のAltを押してしまいます。確かに【A】の横にある方が押しやすいのは押しやすいのですが、癖が抜けきらないのです。
で、結局、AltとCtrlを入れ替えました。
この設定はキーボード内に記憶されていますので、初めて使うPCに繋げた時でも、問題なくいつも通りのキー配置で使うことが出来ます。
安いキーボードの場合は、ソフトで対応することがほとんどです。その場合、初めて使うPCでは設定が生きず、そのPCにもソフトをインストールしなければいけませんが、このキーボードは設定がキーボード自体に記録されますので、そういった面倒はありません。
他にも、BSキーがないのは使いづらいので、DelキーをBSキーにして、その上のキーをDelキーにしたり、離れた二つのキーを同時に押さないと日本語入力にならなかったので、隣り合った二つのキーを押すと日本語入力切替ができるようにしたりもしました。
どういった点が使いにくくて、どう変えたら使いやすくなったのか、また改めて書きたいと思います。
キーマップ変更ツール
HHKBの公式サイトからダウンロードすることが出来ます。Windows版、Mac版ともにあります。
参考 HHKB キーマップ変更ツール ダウンロードPFU 公式サイト
下図は実際のキーマップ変更ツールを使っているところです。
上のキーボードの図から、機能を変えたいキーを選び、そのキーにどのキーを割り当てるか下のキーボードの図から選びます。
直感的にわかりやすく、使いやすいツールです。
ちなみに「DIPスイッチ状態」は、キーボードの裏側についているDIPスイッチの状態を表しています。DIPスイッチについては次で説明したいと思います。
キーボードの裏側
DIPスイッチの説明ついでに、キーボードの裏側の説明もまとめてしようと思います。
- 乾電池を入れるところです。無線接続時、単三乾電池2本が必要です。USB接続時はUSBから給電されるため電池は不要です。
- キーボードの傾きを変えるための足です。①平坦、②弱い傾斜(小さい足を立てる)、③強い傾斜(大きい足を立てる)の三段階です。
- DIPスイッチです。物理的なスイッチで「Windows用配列とMac用配列」を切り替えたり、DeleteキーをそのままDeleteキーとして使うかBSキーとして使うかを選んだりすることが出来ます。
- DIPスイッチの切り替えで配置がどうなるのかの説明と、ペアリングや、接続先切り替えの方法が備忘メモ的に書いてあります。写真を載せておきます。
タイピング練習が楽しくなる
『時間はあるけど何かを書きたい気分じゃない。でも、とにかくこのキーボードを使って何かしていたい』。そういうときにタイピング練習をするようになりました。
最初は他のキーボードを使ったときと比べて、タイピング速度が上がるのかどうか、客観的な数字で比較したいなと思い、少し試してみるだけのつもりでした。それが今やタイピングの心地よさを味わうためだけに、ただ闇雲にタイピング練習をしています。
完全に手段が目的となってしまいました。
参考 インターネットでタイピング練習 イータイピング | e-typing ローマ字タイピングインターネットでタイピング練習 イータイピング
ちなみに、上記サイトを使って一分間にタイピングできる文字数を調べると、ノートパソコン付属のキーボードを使った時よりも、一分間で平均して10文字分位早くタイピング出来ているようです。
毎日、タイピング練習してみて思ったのは、自分でも気づかない体調の悪さに気付かせてくれるということでした。
自分では調子がいいつもりでも、指が思うように動かずスコアが伸びなかったり、何か集中できなくてミスが多かったり。そういう時は疲れが溜まっていると考えて、少しゆっくりすることにしています。
このキーボードを買うと健康管理もできるようになる!
ただの個人の感想ですので、効果・効能を示すものではありませんが、割と本気でそう思っています。
気になるような所は特にない
もっと色々なショートカットキーがついていたり、なんだかんだと様々な機能がついてたら便利かもしれませんが、そうなるとコンパクトさが失われてしまいます。それにこれまでの経験から、色んなキーや機能がついていても、結局は使わないことがほとんどだと知っています。単に私が上手く使えないというだけで、使いこなせるならその方がいいのかもしれませんが……。
使い始めたすぐはキー配置に戸惑い、「高級キーボードと言っても、所詮はこんなものかな」とも思いましたが、使っているうちに配置に慣れ「むしろ、こっちの配列の方が使いやすい。さすが高級キーボード」となりました。
そういうわけで、私にとっては、過不足のない理想のキーボードと言えます。