【ゲーム関連株日記】損失がゼロにはなったものの。【その14】

 600,000円の損失が、300,000円にまで減った所で、気持ちだけは一足先にプラマイゼロとなっていた。

【ゲーム関連株日記】損益がかなりプラスに近づいてきていると思ったが。【その13】

 その時点では「このまま、本当に損失が全部なくなってくれたら、どれだけ楽しい気分になれるのだろうか」と思っていた。それから数日後、実際に全体での損失が解消されたのだが、残念なことに、晴れ晴れとした気持ちを味わいながら、その日を迎えることは出来なかった。

 損失が解消された日の前日に行った売買が原因だった。

原因となった売買

「損失が解消された日の前日に行った売買」について、順を追って説明しよう。

決算

 1月は決算発表の多い月だ。その時、私が持っていた銘柄だと、イワキの決算が1月13日、タマホームの決算が1月14日にあった。どちらも好決算が予想でき、その数日前からじわじわと株価が上がっているような状態だった。

 株価が上がって素直に喜べれば良かったのだが、私はそこで西松屋チェーンによってかけられた「織り込み済み」の呪いによって、むしろ苦しめられていた。

西松屋「織り込み済み」の呪い

 2020年11月24日、西松屋の株価は年初来高値の1,864円を付けていた。その日の取引終了後にある月次報告で好決算が発表されるであろうと予想されていたために、数日かけてじわじわと上げていたのだった。

 実際その時の月次報告は良かった。既存店売上高は前年同月比7.4%増と13カ月連続で前年実績を上回った。それなら当然、そのまま高値を維持するだろうと思っていたら、次の日、大幅反落した。

 売上高が伸びるには伸びたが、伸び率が前月よりも低下したことや、期待先行で買われており、材料が出尽くしたという事で売られたのではないかとどこかのサイトで解説されていた。

「売上高が伸びている」ことは当然としていて、すでにそのことを「織り込み済み」とした高値だったため、伸び率が鈍化してそれ以上伸びていかないことが予想された時点で、利益を確定させるために株を売却する人が増えてしまったということらしい。

 そして、その後もどんどん値を下げていき、2020年12月7日には終値で1,446円まで下げた。そこからは上がったり、下がったりと1,450〜1,550円位の範囲内でのボックス相場となった。今現在もその箱の中で、急落前の1,864円ははるか遠くの1,523円に留まっている。

 -600,000円の原因の3分の1は、この時の西松屋の急落が原因だ。あと3分の1はイマジニアの急落で、あとは米マクドナルドやらタカラトミーやら色々。

 今は全体としてプラスになったが、西松屋単体で見ると、今もまだその時の損失を取り返せていない。

 その苦い記憶があるため、決算前にじわじわと株価が上がることに警戒してしまうのだ。

売った失敗と買わなかった失敗

 イワキとタマホームの話に戻そう。

 1月13日、その日はイワキの決算発表の日。決算発表を前にして、株価はじわじわと上がっていた。実にいやな感じだ。

 ただ、株価がどんなに上がろうが、私がどんな気持ちでいようが、取れる選択肢は常に3つ。買うか、売るか、そのまま(買わない&売らない)か、だ。それに対して、結果は2種類。成功か失敗か。目的を達成したか、しなかったか。それだけだ。

迷い

 まず、イワキの株式を買い足すかどうかで迷った。徐々に上がっているとはいえ、ワラント債発行を発表した時に一度大きく値を落としているので、私が買った時よりもまだ下だった。このくらいなら織り込み済みで落ちることはないだろう。「思い切って、今持っている分と同じだけ買っておこう」と、1000株買い足すことを思い立った。ただ、買い足そうにも証券口座に入れていたお金が足りない。手持ちのどこかの株を売ってお金を作らなくてはいけない。そこが次の迷う所だった。

 結局、迷った末にタマホームを売った。タマホームもイワキと同じように決算を前に徐々に値を上げていたが、こちらはイワキと違い少額ながらも評価益があったため、売ってもいいかという気持ちになったのだ。

 手持ちの200株全てを1,475円で売却した。そして、そのお金と口座のお金を合わせてイワキ1,000株を545円で購入……しようとして、やめてしまった。あと、注文ボタンをワンタップすれば、購入するところまでいって、急に怖くなってやめてしまった。「織り込み済み」の呪いが発動してしまったのだ。

 結局、タマホームを売っただけで、イワキを買い足さず、1月13日の取引終了時間を迎えた。イワキの終値は550円だった。そして、始まるイワキの決算発表。多くの個人投資家の予想以上の好決算だったようだ。具体的にどう良かったのか私にはわからないが、なんせ好決算だったようだ。加えて、増配も発表された。

 翌日の終値は643円まで上がっていた。前日、545円で1,000株買っていたら、1日で98,000円の利益だった。それをみすみす逃してしまった。

 そして、その日はタマホームの決算の日でもあった。1,475円で取引が終了し、決算発表が行われた。こちらも多くの個人投資家の予想以上の好決算だったようで、次の日は朝から株価急騰。終値は1,715円となった。200株を売らずにそのままにしておくだけで、48,000円の利益となっていたのだ。

「買わない」選択をした結果の失敗と、「売る」選択をした結果の失敗と、違う種類の失敗を連続させてしまった。

 完全に失敗した。

金額の問題ではない

 これらは計画性のなさや、メンタルの弱さによって引き起こされた失敗だ。

「地味だが着実な企業だから」とか、「巣ごもり需要があるだろうから」とか、明確な理由をもって買った株が下がったのなら仕方がない。その損失が300,000円だろうが、600,000円だろうが納得できるし、すんなりと受け入れる事もできる。

 株式投資はまだ4ヶ月の初心者であり、知識不足が原因で「利益を得られない」「損失を出す」というのはしょうがない。

 しかし、タマホームを売ってまで買おうとしたイワキを直前で怖くなって買わずに放置し、結局両方で利益を得られなかったというのは……。「感情に振り回されない」「一貫した行動を取る」という40年以上人間をやってきて得てきた教訓を生かせなかった失敗だ。これは良くない。

「イワキを買い足さないので、タマホームは売らない」もしくは「タマホームを売ったので、イワキを買い足す」と恐怖の感情に負けず、一貫した行動をとれていれば、どちらかの銘柄で利益を得られたはずだ。

 それが気分が晴れない理由だった。

次に向けて

 気持ちを切り替えて次に行きたいと思う。

 そのためには、何故、好決算翌日に、西松屋は急落し、イワキやタマホームが急騰したかの理屈をつけておく必要があるだろう。知識不足ゆえに自信が持てず、負の感情に負けたという面もあるため、しっかりとした理屈が付けば、恐怖を克服できるかもしれないからだ。

 西松屋の「織り込み済み」は、13ヶ月連続というところから注目する人も多く、好決算を織り込んで買った人が多く、一方、イワキやタマホームは好決算が予想されていたとはいえ、それほど注目されていたわけではないため、好決算を織り込んで買った人が少なく、発表後に一気に上がった。

──と、いうことでどうだろうか。とりあえずはそういうことにしておいて、次々と襲い来る決算に対処しようと思う。

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