【ゲーム関連株日記】初めて買った株の思い出【その2】

「次世代機頑張って!」の気持ちが最初

 私が初めて買った株は、任天堂株だった。もう十年近く前の話だ。証券口座の取引履歴を見ると、正確な日付も買付価格も確認できる。2011年7月15日に単価15,080.0円で100株買っていた。時期的にはWiiの発売から約5年が過ぎ、次世代機の発表が待たれていた頃だ。

「次世代機頑張って!」の気持ちで買った任天堂株。そして発売されたWiiU。私はもちろん発売日に買ったし、充分に楽しませてもらったのだが、世間の評価はそれほどでもなかった。

WiiUの不振と株価の低迷

 15,080円の時に買った株はみるみる値下がり、数年間10,000円前後を推移した。買ったのは100株だけだったとは言え、お金にすると50万円の含み損をその間ずっと抱えていたことになる。

 ただ、任天堂株の含み損は大して気にならなかった。どうせ、上がったところで売るつもりはなかったからだ。むしろ、「上がったらどうしようか」と悩むくらいだった。例えば、15,000円だった株が、60,000円まで上がってしまったら……。

 60,000円のときに売れれば450万円の儲けとなる。しかし、売らずに持ち続けていたら、いつかまた10,000円に戻って50万円の含み損になるかもしれない。最初から下がっただけの50万円の含み損と、一旦450万の含み益となったあとの50万円の含み損では、気持ち的に大きく違う。後者は実質500万円の損失だ。500万円の損失になるかもしれないという恐怖に耐えて持ち続けることは出来るのか?

 だから私は「株価が上がった時にこそ任天堂愛が試される」と思っていた。

任天堂愛が試されるとき

「株価が上がった時にこそ任天堂愛が試される」と思っていたが、本当に試されるのは株価が上がったときではなかった。一度上がって、そこからじわじわ下がってくるときだった。

じわしわと下がる株価

 Nintendo Switchが好調なところに、コロナ禍の巣ごもり需要が相まって任天堂の株価は一時60,000円台まで上がった。その時でも私の中に売ろうという気持ちが生まれることは一切なかった。「さすが任天堂!」としか思わなかった。

 ところがある時急に反落が始まる。

 COVID-19ワクチンの開発によって、巣ごもり需要が終わるかもしれないという個人投資家たちの思惑のためか、はたまた全く別のところで機関投資家たちの企みがあるのかはわからない。私にわかるのは上がった株価が、じわじわ下がっていっているということだけだ。

 一日5〜10万円ペースで含み益が減っていく。たまに5〜10万円位回復しても、また、その次の日からは5〜10万円ペースの含み益の減少が再開する。毎日少しずつだが、確実に減っていく。なんだかんだで一ヶ月ちょっとの間に70万円の資産が目減りした。この調子だとまだ下がっていくだろう。

「もし、一番高値のときに売って、下がってきた今買い直していれば、70万円の儲け(そこから20%ほど税金としてとられるがそれはそれとして)が出て、なおかつ任天堂株を持ち続けることが出来たんだ」

 砂漠のど真ん中、少ない水筒の水だけで満足していたのに遠くにオアシスを見付けてしまったために喉の渇きを思い出し、意識せずにはいられなくなった。しかし、それは蜃気楼で歩けども歩けども遠ざかっていく。

 そんなことを思わないでもなかったが、「その考えは間違っている。儲けが欲しくて任天堂株を買ったわけではないんだ」とすぐに頭の中から消し去った。一瞬でもそんなことを思ってしまったことを恥入る。

 色々ありながらも、どうにか今のところは任天堂愛を貫けていると思っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です