吾輩は今、キメラキラパン天地僧にて、聖守護者と戦う準備をしておる。

【ショートショート】勇者の凱旋

著者
みもとふめい

みもとふめい

ランガーオ村のほど近くに突如現れた剣と盾を持った人物。彼は勇者なのだろうか? 勇者ならば何をするために現れたのだろうか? すごく短い話だからすぐに読めるよ。

勇者の凱旋

 ランガーオ村のほど近く。いつものように友達と遊んでいたら、剣と盾を持ったお兄さんがあらわれた。
 頭から足先まで強そうな鎧でばっちりきめてて、すっごくカッコイイ。

 最近噂の勇者かな?

 きらきらと輝くあの剣で、たくさんの魔物を倒してきたに違いない。

 そう思うとぼくは怖くなって、ここから逃げだしたくなった。
 だけど、突然その人は変な動きをして面白い事を言うもんだから、逃げるのも忘れて大笑いしちゃった。隣を見たら友達も一緒に笑い転げてた。

 なんだ、全然怖い人じゃないじゃないか。

「がんばってー」

 少し離れた所にいた人が、いつの間にか近くにやってきて応援している。
 
 ファンの人?
 
 左肩にゴツゴツしたものをつけて、右肩は丸見えにしている恐ろしげな格好をした人もこの人のことが好きなんだ。さすが格好良くて面白いだけのことはあるなぁ。
 
 やっぱりこの人が勇者なんだ。
 
 勇者が応援に答えるようにポーズを決めると、大地もそれに答えたのか彼を中心に砂煙が舞った。身体からあふれんばかりの力が、全身をうっすらとピンク色に染めている。
 
 「ありがたい。感謝の意を表する」
 
 短い言葉で声援に答えるのもカッコいい。
 
 次から次へと目まぐるしくて、見ていてほんとに飽きない。ボーッとみとれていたら、今度は剣を頭上高く、天に向かって突き出した。
 
 次は一体何だろう?
 
 カミナリみたいな光の繊維が空から落ちてきたかと思うと、束になって剣の周りに集まる。
 
 手品かな? とってもワクワクしてきた。
 
 ダンスのステップを踏む様に、ちょんと左足をひいて腰を落とす。
 
 面白い人だなぁ。友達になってくれないかな。
 
 右腕を体に巻きつけるようにして、光の剣を持った右手を左肩まで目一杯まで引く。
 
 何をしているのかわからないけど、これが終わったら「友達になってください」ってお願いしてみよう。
 
 その格好のまま踊る様にくるりとまわると、剣のあとを光の尻尾がついていく。
 
 ぼくはぷるぷると身体をゆらしてこう言うんだ。
 
 一周し終わったら回転の勢いそのままに剣を水平に振るった。
 
「ぼくは悪いスライ
 
「ギガスラッシュ」という掛け声とともに、目の前が真っ白になって、それ以上何も考えられなくなった。

スライムにギガスラッシュ

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