昔の苦労話である。

[prpsay img=”https://gamesukio.com/dq10/wp-content/uploads/gamesukio_face.png” name=”げいむすきお”] これが書かれた当時はフレンドやチームメンバーであるかどうかに関わらず、サポートとして雇うには金が必要であったし、雇えるレベルは自分と同じレベルまでであった。料理ギルドはなかったし、ルーラストーンは貴重であったし、鉄道料金が100Gであったし、バザーも大陸ごとに別々であったし、装備の持てる数を増やすことは出来なかったし、所属職人ギルドを変更することも出来なかった。
 短い記事ではあるが、変更されたことがみっしりと詰まっておるので、そのつもりで読むと良いのである。
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 吾輩はげいむすきおである。各地を巡り、キーエンブレムをすべてそろえ、残す敵は冥王ネルゲルのみとなった。そこで、そろそろ一度これまでの冒険を振り返ってみておこうかと思う。貴公らには”レーンの村を飛び出した吾輩が、ジュレットの町で挫折した”ところまでは話したかと思う。よって、その続きから語ろう。

 あの時の吾輩は金もなく、酒場でサポートを雇うことすらできなかった。一人きりの戦いは本当につらく、苦しかった。それでもなんとかやくそうを工面し、死なぬようにして、レベル上げをする日々であった。

 そんな中、サポートを雇うだけの金が貯まった。喜び勇んで三人雇ってはみたが、自分も含め似たり寄ったりな能力の4人では、倒せる敵のレベルが劇的に上がるというわけもなく、「払った金に見合う働きかどうかは疑問であるな」と思っておるうちに契約期間が終わってしまった。

 今ならば、自分と同じレベルのサポートであっても、他の職業で鍛え、基礎能力を底上げするようなスキルをもっておるものも多い。しかし、当時は転職そのものが出来ないような時代であった。

 同じ頃、どの職人ギルドに属すのが良いかにも頭を悩ましてもおった。
 一人前になるまではギルドを掛け持ちしても構わないようであったため、武器鍛冶、防具鍛冶、道具鍛冶、木工、裁縫、ランプ錬金、ツボ錬金と当時存在していた職人ギルドを一通りまわり、その技術を体験した。

 そうやって各大陸を回っている際、大陸ごとにバザーの相場が随分と違うことに吾輩は気が付いたのである。
 ジュレットでは50Gで山ほど売られている皮のズボン★1が、ラッカランでは200Gで売られておった。しかも、その値段で買われておるようなのである。
 どうやら、裁縫ギルドのあるジュレットでは、皮のズボンを作る者の方が多く、ランプギルドのあるラッカランでは、ギルドマスターからの依頼品用に皮のズボンを使う者の方が多いため、こういったことになったようであった。

 当時は鉄道料金が100Gであったため、ルーラストーンをラッカランに設定しておったとしても、依頼を受け、ジュレットに移動し、皮のズボン★1を50Gで買って帰ってきたとしたら150Gかかる。

 移動の面倒さを考えたら、ラッカランで200Gで買った方がはるかにましということであったのであろう。

 ならば、とばかりにジュレットで皮のズボンを買えるだけ買って、鉄道でラッカランに移動して売れるだけ売った。そして今度はルーラストーンでジュレットに移動して、また皮のズボンを買い込んで、ラッカランに売りに行ったのである。

 装備の空きは15枠あったため、皮のズボンを15本買う。そして、ラッカランに移動し売るのである。
 皮のズボンをバザーに並べるのに出品料が一本につき10G、その上、200Gで売れれば手数料が10Gかかる。
 よって、一本売れると180Gの売上となった。

皮のズボン50G×15本-750G
交通費(鉄道)100G-100G
売り上げ180G×15本+2700G
合計+1850G

 これだけで1850Gの稼ぎである。

 所詮は小銭稼ぎにすぎぬのであるが、当時の吾輩は「これぞまさに錬金術!」と興奮したものである。

 勇者のやることとは思えぬせせこましい努力である。しかし、偉人伝には若いころの苦労話がつきものである。貴公らも吾輩の苦労話を聞き、涙するがよい。
そして、吾輩のような勇者でも若いころは苦労をしたのだという話を励みとし、頑張るのである。

 今現在、いつ終えるともしれぬ苦しみの中にあるものもおるであろう。しかし「やまない”ひのいき”はない」と言うではないか。

 確かにキメラの”ひのいき”は痛い。痛いがキメラも永遠に火の息を吐き続けるわけにもいかぬ。息を吸う瞬間があるはずである。その息継ぎの瞬間に倒すのである。

 貴公らもいずれは偉人伝に描かれるような偉人になれると信じて頑張るであるぞ。

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