吾輩はげいむすきお。これからはウェディの戦士として生きていこうと強く誓った男である。
レーンの村のすぐそばに生息しておるスライムやモーモンならば、ウェディの身体になれておらぬ吾輩でも楽に倒すことができた。本来ならば、ここで少しレベルを上げておくべきであるのだろう。しかし、吾輩は必要に迫られた時以外はレベル上げはせぬ性質であるため、すぐさま、話を進めるため慰霊の浜に行くのである。
その後も、あれをしろこれをしろと言われるがままに、あっちに行きこっちに行きとしておったが、モンスターの相手は面倒であるため、そばを通り抜けていく。
その結果、ウェディの身体で、初めてボスと戦ったのはレベル5だった。
惨敗であった。しかし、それも仕方あるまい。レベル上げを避けてきた結果だ。
この時の吾輩が装備しておるのはオノである。純粋に攻撃力が高かったからオノを装備しておったのだが、どうにも勇者らしくない。
勇者と言えばやはり、片手剣に盾である。だが、剣と盾を両方そろえるのは面倒であるし、純粋な攻撃力だけを考えると大剣の方が高い。
迷いに迷った末、大剣を吾輩の得物とすることとした。なにごとも形から入る吾輩ではあるが、そのあたりは割と柔軟なのである。
レベル5で惨敗するのであるならば、レベルをあげるしかないであろう。
やくそうを買い込み、地底湖にこもる。プチアーノンを倒しに倒してレベル7。レベルの上りも悪くなってきたところで、黒き花婿に再挑戦である。
惜敗。惜敗であった。
おそらく、パーティを組めば楽勝であったであろうが、吾輩にそんな人脈はない。ひとり寂しくレベル上げである。
プチアーノンも飽きてきたため、次はレムール緑野の祈りの宿の東にいるねこまどうで経験値を稼いだ。
先程のボス戦は十分に勝てそうな試合であったため、レベルを一つだけ上げ、装備を整えて再戦した。
ここでようやく勝利を得た。
無事、花嫁を助け出すと、外へ出る許可を村長から得られた。よく分からぬが大陸間鉄道パスまでくれた。
そうして吾輩はここぞとばかりに外の世界へとびだした。メラゾーマの如き激しい勢いで飛び出していったのである。