2019年10月の月間ベストセラー(日販調べ)

[prpsay img=”http://gamesukio.com/books/wp-content/uploads/2019/04/IMG_4369.png” name=”げいむすきお”] 2019年10月の月間ベストセラー(日本出版販売株式会社調べ)。2019年10月11日にノーベル文学賞が発表された。2018年分がポーランドの作家オルガ・トカルチュク、代表作は『逃亡派』。2019年分がオーストリアの作家ペーター・ハントケ、代表作は『ペナルティキックを受けるゴールキーパーの不安』。どちらもあまりピンとはこない。特にランキングに入ってくる事もなかった。[/prpsay] [toc][toc label=”2019年10月の月間ベストセラー(日販調べ)”]

01位『鬼滅の刃 片羽の蝶』吾峠呼世晴、矢島綾

 吾峠呼世晴作のコミック「鬼滅の刃」のノベライズ作品2作目。コミックタイトルの読み方は「きめつのやいば」で作者名の読み方は「ごとうげ こよはる」。この作品のアニメが「TOKYO MX」にて2019年4月6日から9月28日までの間、放送された。舞台は大正時代。鬼に家族を殺された炭治郎が、家族を殺した鬼に復讐し、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すために旅をする物語。

02位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治

 宮口幸治著の実用書。著者は児童精神科医。医療少年院での勤務経験もある。作者は言う。”少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。“。非行少年が非行少年たる所以は「人格の良し悪し」ではなく、「認知能力の有無」であり、社会生活を送るうえで必要な能力を持たず、その能力を手に入れようにも、頑張った先に何があるかを想像することが出来ないため努力もできず、「今したことは悪いことなんだ」と指摘されても反省することすらできない。認知能力を鍛えることで、善悪の判断がつくようにしよう、というような話。

03位『Myojo LIVE! 2019 夏コン号』

 アイドル雑誌「Myojo」特別編集の男性アイドルの2019年夏のコンサート特集号。何一つ私と関わりのないもので、「明星って雑誌、まだあったんだ」レベルの認識しかない。

04位『鬼滅の刃 しあわせの花』吾峠呼世晴、矢島綾

 吾峠呼世晴作のコミック「鬼滅の刃」のノベライズ作品1作目。2作目が1位で1作目が4位となっているので、2作目出版でノベライズの存在を知って、1作目もまとめ買いと言う感じだろうか。

05位『こども六法』山崎聡一郎

 山崎聡一郎著の実用書。”いじめ、虐待に悩んでいるきみへ。法律はみんなを守るためにある。知っていれば大人に悩みを伝えて解決してもらうのに役立つよ!きみを強くする法律の本。“(BOOKデータベースより)

 子供にも読めるように作ってあるが、子供だけではなく周りの大人も読んでしっかりと理解しておきたい内容。学校が聖域でなくなって久しいが、それでもまだ透明になったとは言い難い。何かあった時に、学校内のルールでもって「誰々が悪い」「誰々は悪くない」で終わるのではなく、しっかりと法律という客観的な根拠を持って公平に裁いた方がいいだろう。そのためにはまず法律を知らないといけない。
 いじめっ子も、いじめられっ子も同様に守られるべき存在であって、犯罪の加害者にも被害者にもならないようにしなければいけない。道徳で説くと同時に、法律もしっかり教えるべきだろうと思う。2位の「ケーキの切れない非行少年たち」は、犯罪を犯罪と認識できていないがゆえに犯罪を犯してしまっているという話なので、そのことを考えると、道徳という曖昧で理解しにくいもので行動を制限するのではなく、法律というある程度きっちりとした線引きをもっているもので「これはこれこれこういう法律があるからしてはいけない」と小さいころからきっちり説明していった方が理解しやすい場合もあるんじゃないかと思う。

06位『世界一美味しい手抜きごはん』はらぺこグリズリー

 はらぺこグリズリー著のレシピ集。2019年6月9位、9月4位と来て、10月6位。ランキングの常連になりつつある。「全レシピに工程写真付き」「見るだけで材料も手順も丸わかりの工程写真だから失敗なし」「スーパーやコンビニで売っているものだけで作れる、特別な食材0」「使う調味料はどこにでも売っているものばかり」というのが本書の売りで、料理はあまり得意ではない人にもおすすめということらしい。

07位『おしりたんてい ラッキーキャットはだれのてに!』トロル

 トロル作・絵の児童書の第10弾。2019年8月22日発売。表題作「ラッキーキャットはだれのてに!」と「おもいでの まねきねこ」の2話収録。
 ラッキーキャットは、おしりたんていの事務所があるビルの一階にあるカフェの名前。そのラッキーキャットが舞台のお話。表紙にはおしりたんてい、ブラウンのわきに、妙に色っぽい恰好をしたすずと、マフィアのボスのような姿をしたマスターが描かれている。

08位『人間』又吉直樹

火花」で第153回芥川龍之介賞を受賞した又吉直樹著の小説。”僕達は人間をやるのが下手だ。38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?初の長編小説にして代表作、誕生!!“(「BOOK」データベースより)

 火花も読もう読もうと思いつつまだ読んでいない。これを機にまとめて読もうかと思う。

09位『転生したらスライムだった件(15)』伏瀬

 伏瀬著のライトノベルの第15弾。小説投稿サイト『小説家になろう』で2013年2月20日から連載されていたWEB小説を改訂して出版されたいわゆるなろう小説。(舞台となる世界からすると)異世界である日本にすむ37歳のサラリーマン三上悟が通り魔に刺されて死亡し、スライムとして転生し、転生先の世界で生きていく物語。アニメ化もしている人気シリーズ。
 14巻は2019年4月の3位なので、新刊が出るたびランキング入りしているようだ。

10位『ひとりで生きる』伊集院静

 伊集院静著のエッセイ。”一人で生きることを自覚せよ、と言っても、そう簡単にできるものではない。泣く雨の夕暮れも、一人で膝をかかえて星を見上げる夜半もあるであろう。孤独というものには、やるせなさがどこかに隠れている。なのに一人で生きようとしている人には、家族、兄弟姉妹、仲間、同僚、友と日々、逢ったり、連絡を取り合って、普通に生きている人たちには、ないものがある。あの潔さに似たものは何なのだろうか? ひとりで生きることは、一見淋しいものに思えるが、実は美しい人間の姿であるのかもしれない。

 一人で生きようが家族と生きようが、各人好きにすればいいと思うし、人がどう生きていても美しいとも醜いとも大して思わない私からすれば、この数文だけでもこの作家の作品とは合わなさそうだなと思う。私はその生き方が面白いか面白くないかということの方が重要だと思っている。

11位以下

11位『一切なりゆき』樹木希林
12位『祝祭と予感』恩田陸
13位『「日本国紀」の天皇論』百田尚樹
14位『てれびげーむマガジン』
15位『イグアナ&Co.』
16位『シンプル家計ノート』
17位『西田幾多郎善の研究』日本放送協会
18位『Ane・ひめ』
19位『明るい暮らしの家計簿』ときわ総合サービス
20位『自分のことは話すな』吉原珠央

 なぜか急に今月から11位から20位まで発表されるようになった。

 10月ともなると来年のスケジュール帳や日記、家計簿が入口付近に平積みされて、新春が近いことを感じさせてくれる。本屋の風物詩と言っていいだろう。色んな種類が出てはいるが、機能的にそれほど大きく違いがないように見えるだけに売り上げもばらけそうに思っていたが、ランキングに載るくらい人気のものもあるんだと思い知らされた。確かに19位の「明るい暮らしの家計簿」は表紙のドット絵みたいなの(クロスステッチ刺繍?)が5日以上家計簿をつけたことのない私の目にも自然と浮かんでくるくらいだし、それくらい、毎年、毎年並べられているんだろうな、と思う。

 15位の『イグアナ&Co.』とはなんだろうと思い調べると、イグアナのフィギュアだった。ミニブックが付属していて、そのフィギュアのイグアナの実際の写真や体長、生息場所、生態といった科学的・生物学的情報が記載されているものだそうだ。出版社はディアゴスティーニ。毎号買い集めていって一つを完成させるタイプのものではなくて、完成品を集めていくタイプとはディアゴスティーニにしては珍しいように思う。

最後に

[prpsay img=”http://gamesukio.com/books/wp-content/uploads/2019/04/IMG_4369.png” name=”げいむすきお”]

 なぜか今月から突然11位以下も発表されるようになった。巻数の表記漏れがあったり(日販のサイトだと「転生したらスライムだった件」の巻数が書いてなかった)、サブタイトルがついたりつかなかったり(1位と4位の「鬼滅の刃」はノベライズの1巻と2巻なのだが、2巻は「片羽の蝶」とサブタイトルまでついていたのが、1巻の「しあわせの花」はついていなかった)、担当者が変わったのだろうか。

 それはともかくとして、「こども六法」と「人間」は読もうかなと思っている。[/prpsay]

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